7回制の意見を現場に聞いてと言うけれど…国スポ出場選手の率直な声、球児も頭悩ます高校野球の未来

[ 2025年10月1日 08:00 ]

滋賀国民スポーツ大会で対戦した仙台育英、日大三両校の選手は7回制での試合を終え、整列
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 2日に決勝を迎える滋賀国民スポーツ大会高校野球硬式の部は、7回制で行われている。現在、日本高野連が7回制導入を本格検討しており、検討材料の一つとするために公式戦で初めて7回制を実施することに決めた。

 出場した仙台育英(宮城)の須江航監督は「子どもたちの高校野球なので、彼らがどう感じているかを聞いてほしい。高野連さんがアンケートを取りましたけど、もう一個踏み込んで意見を聞いてもらえたら一番いい形になると思います。立場や境遇の違う高校が集まり、ディスカッションをし、大人とともに考えていく。それが望むべき形かなと思います」と言及した。

 では、7回制を経験した高校球児は、実際にどう感じたのか。貴重な意見となる出場選手たちの感想を一部ではあるが紹介したい。

 ▼仙台育英(宮城)・吉川陽大(1回戦の日大三戦に先発登板して完封勝利)「野球は9回にドラマがあると思う。9回のドラマこそ高校野球の醍醐(だいご)味だとは思っています。投げてみると7回制と9回制では、折り返しの部分に違いがある。まず折り返しまでしっかり投げようと考えているので、4回まで集中力を切らすことなく投げることができました」

 ▼山梨学院(山梨)・横山悠(U18W杯でも7回制を経験した捕手)「個人的には7回制の方がメリットは大きいと思います。9回までやりたいですし、もう1打席打ちたいな…と思うけど、連戦が続くことを考えれば7回制の方がいい。7回制は試合の最後まで集中できたので、その部分もメリットだと感じました。世界大会と違って日本の野球はスピーディーなので(U18W杯より)めちゃくちゃ早く感じました」

 ▼沖縄尚学(沖縄)・真喜志拓斗(今夏日本一を達成した主将)「甲子園まで9回で戦ってきたので物足りないな…と感じましたけど、その中で強いチームの特徴だとも思います」

 ▼県岐阜商(岐阜)・柴田蒼亮(沖縄尚学との1回戦で7回途中1失点で初戦突破)「勝っていたら7回制がいいでしょうし、7回までに同点だったり負けていれば9回制がいいと思うでしょうし…。序盤に失点を重ねると追いつけなくなるので、最少失点でいこうということは意識していました」

 囲み取材でどこまで本音を明かしたかを見極める必要はあるものの、選手の中にも賛成派がちらほらと見受けられたのは意外な反応だった。

 日本高野連は軟式の部も含めた出場校や大会関係者にアンケートを実施し、意見を集約する。これまで多くの指導者が「現場の声を聞いてほしい」と発信してきたものの、熱中症対策などは命に関わる事案である以上、現場の理想だけでは進められないのも事実だ。日本高野連の井本亘事務局長が「どのような展開が待っているのか、(国スポの)意見も受けて議論を重ねていくことになる」と明かす通り、検討会議内で闊達(かったつ)な議論が行われている真っ最中。国スポに関するアンケートが日本高野連に届けば、いよいよ7回制の議論は決断を下す最終段階へと進むことになる。(記者コラム・河合 洋介)

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