番記者が見た大谷の怒り 21年9月、昨秋も感情爆発 今季は21世紀初のWS連覇へ

[ 2025年8月20日 07:10 ]

ロッキーズ戦で空振り三振に倒れた大谷
Photo By スポニチ

 怒りをあらわにすることはあっても、道具にあたることは珍しい。18日のロッキーズ戦でサヨナラ負けが決まった直後、ドジャースの大谷はベンチの壁に手袋を勢いよく投げつけた。

 「大事な試合」と気合十分だった16~18日のパドレスとの首位攻防3連戦で3連勝を飾ったにも関わらず、両リーグ最低勝率のロッキーズに勢いをそがれるような敗戦。自身は7試合ぶりのマルチ安打をマークしたが、勝たなければ意味はないとでも言わんばかりに感情が爆発した瞬間だった。

 過去にも一度あった。エンゼルス時代に「2番・投手」で出場した21年9月26日のマリナーズ戦。同点ソロを浴びた直後の7回の攻撃。2死一塁で9番・フレッチャー(現ブレーブス傘下2Aクリングストーンズ)が一邪飛に倒れると、ベンチ前の大谷はバットケースにバットを振り下ろし、すさまじい衝撃音が球場に鳴り響いた。

 投手として7回5安打1失点、10奪三振の好投だが、追いつかれた自分への怒り、挽回する打席が回ってこないもどかしさ。当時のチームの低迷の責任をも背負い込んだ二刀流の大谷にしか分からない感情だった。

 大谷は元々、闘志は内に秘めるタイプ。ドジャースのメンタルスキルコーチを任されるブレント・ウォーカー氏も「翔平は結果が悪くても良くても、毎回全く同じ方法で臨む。ベンチに戻ってきても(感情は)変わらない」と評価。客観的に自身の状態を分析する冷静さが好結果につながっていると分析していた。

 一方、大谷は昨年のシーズン終盤からポストシーズンにかけては感情を爆発させた。打った直後にバットを放り投げて叫んだり、「カモン!」と手招きするしぐさで熱くチームを鼓舞したりなど、ファンの熱気と比例するように感情をむき出しにし、チームとともにワールドシリーズ制覇を成し遂げた。もっと振り返れば侍ジャパンの一員として世界一をつかんだ23年のWBCでも、ベンチや二塁上でナインを鼓舞していた姿が印象的だった。

 21世紀初のワールドシリーズ連覇を目指すメジャー8年目。道具にあたることは決して褒められたことではないが、いつも冷静な大谷が徐々に変わりつつある兆候にも感じる。18日(日本時間19日)時点でレギュラーシーズンは残り37試合、そしてポストシーズンはいかに。今季も想像を超える結末を期待してならない。(記者コラム・柳原 直之)

続きを表示

「ドジャース」特集記事

「大谷翔平」特集記事

野球の2025年8月20日のニュース