【甲子園】県岐阜商89年ぶりVへミラクル4強 壮絶タイブレーク延長10回3点差追いつき11回サヨナラ

[ 2025年8月20日 05:00 ]

第107回全国高校野球選手権大会第13日目 準々決勝   県岐阜商8―7横浜 ( 2025年8月19日    甲子園 )

<県岐阜商・横浜>タイブレークを制し、応援団の元へ駆け出す県岐阜商ナイン(撮影・中辻 颯太)
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 県岐阜商(岐阜)が延長11回、タイブレークの末に春夏連覇を狙った横浜(神奈川)にサヨナラ勝ち。2009年以来16年ぶり、公立校では唯一の4強入りを果たした。延長10回に3点差を追いつき、11回2死一、三塁から4番の坂口路歩(ろあ)内野手(3年)が左前に決勝打を放った。ルーズベルトゲームを制し、タイブレーク導入後では史上初めて3点差を追いついての逆転勝利となった。21日の準決勝は日大三と戦う。

 究極の場面でも、坂口路歩は冷静な自分に気づいていた。「ここは大振りする場面じゃない。しっかり振り抜こう、と」。7―7の延長11回2死一、三塁。待ち続けたストレートを左前にはじき返すサヨナラ打。16年ぶりの4強を実現した白星は、春夏連覇を目指した横浜の野望を打ち砕いた。

 「あの場面は、絶対に自分にチャンスが回ってくると思っていた。仲間がつないでくれたので打ちたかった」

 ヒーローは4番でも、最強投手陣を攻略したのは全員の力だ。初回に内山元太の適時打で先制し4、5回はいずれも3連打でリードを広げる。4点差を追いつかれ、最大の危機は3点ビハインドで迎えた10回の攻撃。忍び寄る敗色の気配は、無死満塁から飛び出した小鎗稜也の左中間を破る3点二塁打で一掃した。

 「宮川がつないでくれて、僕も次の横山につなげるように、併殺だけはしないように打席に立った」

 もちろん、つなぎの意識だけで16本の安打は打てない。決戦前日。打撃マシンを過去最速の150キロに設定し全員が打ち込んだ。MAX152キロ右腕の織田対策。疲労を考慮し藤井潤作監督からオフにする提案もあった中で、選手が自発的に1時間半と決め、集中してボールに向かった。

 「あの練習をやってなかったら、とても打てなかった」と坂口はいう。ミーティングでは指揮官が「横浜に勝つことを想像しよう」と精神面のアドバイス。圧倒的不利と目される中、王者に臆さない積極性は、周到な準備が生んだ。

 昨秋、今春ともに県大会の準々決勝で敗退。打撃力向上に名門復活の活路を求めた。マシンの速度アップ、打撃投手を2メートル前に立たせるなど強度を上げた結果、岐阜大会6試合で打率・396、53得点。全国にも通用する強打線が誕生した。

 創部100周年のメモリアルイヤー。「この勢いのまま、頂点まで駆け抜けたい」。坂口はナインの思いを口にした。夏の選手権制覇は1936年が最後。89年ぶりの悲願は、手を伸ばせば届く場所にある。(堀田 和昭)

 《1大会最多》県岐阜商が横浜相手に延長11回タイブレークの末、サヨナラ勝ち。夏の甲子園でのタイブレークは18年(延長13回無死一、二塁から)の導入以降22度目。今大会7度目で10回無死一、二塁からに変更された23年と昨年の6度を抜き1大会最多となった。

 《3点差以上を追い付いてサヨナラ勝ち》タイブレークで3点差以上を追い付いてのサヨナラ勝ちは春夏通じて史上初。24年夏1回戦の智弁学園―岐阜城北戦で岐阜城北が10回に3点を追い付いたが、11回に3点を奪われ、敗退した。

 《横浜戦勝利》県岐阜商が横浜相手に1978年夏(3―0)に続き勝利。横浜に春夏合わせ2度勝利するのは報徳学園、大阪桐蔭、智弁学園に次ぎ4校目。

 《夏通算43勝&岐阜勢80勝》県岐阜商が勝ち、選手権通算43勝。智弁和歌山、広島商と並び歴代8位。岐阜勢は選手権通算80勝目。

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