阪神・熊谷敬宥のゴロ捕球の極意 「ボールを前から引っ張ってくるイメージ」 下がる勇気も必要に

[ 2025年8月19日 05:15 ]

7月31日、広島戦の9回、モンテロの遊ゴロをさばく阪神・熊谷
Photo By スポニチ

 【猛虎プロフェッショナル“技の流儀”】阪神選手の「ここが凄い」というプレーなどに迫る「猛虎プロフェッショナル“技の流儀”」。今回は鉄壁の守備を誇る熊谷敬宥内野手(29)に、「失敗しないゴロ捕球」の極意を聞いた。

 昨季までは代走、守備固めが主だった熊谷が、今季は立派な“守役”を務める。本職の遊撃に限れば、ここまで先発で9試合、途中出場で2試合務め、失策はゼロ。土、人工芝を問わず、的確にゴロをさばき、投手をもり立てる。人気ドラマ「ドクターX」ばりの「失敗しないゴロ捕球」。その極意を明かす。

 「ゴロを捕るときは、グラブを左右に振らず、ボールを前から(自分の方に)引っ張ってくるイメージです。自分からボールの方へ極力グラブは出さない。(打球が)自分の体に入ってくる感覚」

 ゴロと体の衝突回避を念頭に置く。滑らかに足を動かして、打球の進行方向と体の中心を合わせ、両手で打球を包み込む。送球に不安はない虎の忍者だからこそ、的確な姿勢での捕球を重視する。

 「正面」で捕ることが全てでもない。三遊間のゴロなら「わざわざ(基本的な捕球体勢と言われる)左足の前で捕る必要もない。困ったら逆シングルでもいい」。基礎に執着した強引な正面捕球はリスクもあり「僕も“(体の)真ん中ぐらい”で捕っている」と熊谷。コンマ1秒を争うプロの世界では、柔軟な思考も必要になる。

 打球を「体に引っ張ってくるイメージ」は、「スムーズな球の握り替え」という副産物も生む。名手は「グラブを左右に振るから、握り替えのミスが起きる」と説明。「左右に振らない」ことを前提にする背番号4に、握り替えのミスが起こるはずもないのだ。また、打球の強弱によって足のステップも調節する。打球と距離を取るのか、前へ詰めるのか――。「打球に対して前へ行きつつ、下がりながら(バウンドを)合わせることもある。“バウンドが合わない”と判断すれば“下がる勇気”も必要なので」。一瞬の決断力も、堅守の奥義と言える。

 基本から応用まで、22年1月から行う広島・菊池との自主トレで学んだという。球界屈指の名手との鍛錬もさることながら、シーズン中のノックからも技術向上のヒントを得る。「練習ではエラーしていい。むしろ、こうしたらエラーするんだな、と考える。いろんなことを考えて“なぜエラーしたか”を消化している」。16日に追悼試合があった立大の大先輩・長嶋茂雄さんの名言を借りれば、まさに「失敗は成功のマザー」。“守勲”の裏には、頭と体を使った地道な研究があった。 (八木 勇磨)

続きを表示

この記事のフォト

「阪神」特集記事

「大谷翔平」特集記事

野球の2025年8月19日のニュース