阪神・木浪聖也 満塁男の本領 8回代打で決勝押し出し四球「割り切っていこう」土曜日8連勝呼んだ

[ 2025年8月10日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神6-2ヤクルト ( 2025年8月9日    京セラD )

<神・ヤ(18)>8回、押し出し四球を選んだ木浪(撮影・岸 良祐)
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 夏の日差しに焼けた端正なマスクが、一瞬ほころんだ。2―2の8回2死満塁。及川の代打・木浪が、値千金の決勝押し出し四球を選んだ。右の拳を握り、悠然と一塁へ。23、24年で打率・457、35打点、今季も試合前時点で同・500、5打点を残す虎の満塁男が、「目」で貴重な1点を叩き出し、土曜日8連勝へと導いた。

 「初球から打ちに行くつもりでしたけど、2ボールになった。でもどこかで“割り切っていこう”と思ったんですが、3ボールになって、冷静になった」

 マウンドには小沢。塁上の大山と高寺は四球の走者だ。制球が定まらない相手だからこそ、丁寧にボールを見極めた。上下左右にバラつく直球を3球見送り、勝負の5球目も外角へ大きく外れた。大歓声がうずまく京セラドーム。快打でも激走でもない。今は、渋く奪った殊勲の四球を心から喜べる。酷暑の尼崎で白球を追っていた日々を思えば――。

 攻守に精彩を欠き、6月20日に2軍へ降格した。若い小幡が躍進を続ける現実を直視し、自宅でも1軍の試合から目を背けることはしなかった。練習では10歳近く年の離れた後輩たちと泥にまみれ、合間を見つけて意識的に走る量を増やし、下半身から鍛え直した。

 「1軍でも早出練習でポール間の快調走をやっていたが、強度を上げた。あとは、コーンを置いた50メートルダッシュ、切り返し走とか」

 遠征先での2軍戦が降雨中止になった際は、狭い室内練習場に選手がひしめき合う。その環境ですらプラスに捉え「スペースを見つけて、できることは全てやりました」。SGLスタジアムでは、居並ぶ大勢のファンへ感謝のサイン。ペンを握る右手は、無数のマメがつぶれていた。

 「自分は変わらないようにやっていた。(練習を)怠ることだけはないように、です」

 苦境を乗り越え、笑顔が戻った。やっぱり虎には、木浪聖也が必要だ。(八木 勇磨)

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