セ・リーグもDH制検討! プロ野球の歴史動くか 意見交換は数年間

[ 2025年8月1日 05:00 ]

各カテゴリーのDH制
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 セ・リーグが指名打者(DH)制の導入を検討していることが31日、分かった。同リーグは数年間議論を重ねてきたが、慎重な姿勢を貫いてきた。高校野球は1日、日本高野連の理事会で来春選抜からのDH制導入が承認される見込み。MLBのナ・リーグ、国際大会などでも採用される中、セ・リーグは「最後の砦(とりで)」となっており、今後の進展に注目が集まる。

 プロ野球の歴史を変えうる議題の検討が始まった。セ・リーグのDH制導入を巡っては、数年にわたり意見交換が行われてきた。榊原定征コミッショナーが就任した直後の23年1月、12球団監督会議で「セ・リーグのDH制はどうか」と問題提起。今年1月には即座の改正はないとした上で「五十何年も、セ・リーグとパ・リーグがルールが違うのはノーマルな状態ではない」との見解を示していた。

 日本高野連は1日の理事会でDH制導入が承認される方向となっている。MLBのナ・リーグ、国際大会などでもすでに採用され、国内のアマチュア球界も採用が広がっている。大学野球では東京六大学野球と関西学生野球で来春のリーグ戦からの導入が決まり、全27連盟が来春から全てDH制となる。高校野球での導入が決まれば、高校生以上ではセ・リーグ以外の全カテゴリーがDH制となる。

 DH制のメリットは多い。野手の出場機会が増え、打撃に特化した選手の育成につながる。ベテランの活用と世代交代の円滑化や、外国人選手起用など作戦の選択肢も広がる。さらにレギュラー選手を入れ替えて起用すれば、守備の負担を抑えるなど、シーズンを通したコンディション面での利点もある。投手は投球に専念でき、野手9人と対戦することでレベルアップにつながる。攻撃での作戦面による交代もなくなり、より長いイニングを投げることが可能となるなど、投手育成にもつながる。打撃時や走塁時の故障もなくなり、投手の負担減にもメリットは大きい。


 今年1月に開催された12球団監督会議でもDH制は話題に上がった。パの監督を中心に交流戦のセ・リーグ本拠地での導入を求める声は多く上がり、ロッテ・吉井監督は「監督としてはDHの方が投手のケガも防げる」と利点を挙げ、選手に意見を求めながら議論していくことへの希望を口にしていた。

 今年の交流戦ではセ、パの力の差が如実に出た。パの全6球団が交流戦上位を独占して勝ち越し、セ球団は貯金なしに終わった。DHのあるパはレギュラーの野手が9人だが、セは8人。DH制の有無が戦力差を生んでいるという見立てもあり、今後の議論に注目が集まる。

 ≪高校野球 1日理事会でDH制導入承認へ≫日本高野連は1日に理事会を開催し、来年選抜大会以降の指名打者(DH)制の導入についての承認を行う。反対意見は少なく正式に導入が決まる見通し。高野連は1月に「7イニング制等高校野球の諸課題検討会議」を立ち上げ、DH制導入についても検討を開始。選手の出場機会の増加や、既に導入されている国際試合への対応などのメリットがあることを確認し、国内外の潮流にも合わせ、承認される見通しとなった。また、今後は現在ファンへのアンケートなども実施している7イニング制について、年内に対応をまとめる方針となっている。

 ≪「賛成」74.3%≫スポニチの公式Xアカウント「スポニチ野球記者」でセ・リーグのDH制導入について緊急アンケートを実施。1万票以上が集まり関心の高さをうかがわせた。結果は「導入賛成」が74.3%。「反対」の17.4%に大差をつけて圧倒的な支持を得た。「賛成」の理由としては「投手の打席、走塁時のケガのリスクがなくなる」「できる限りルールの統一を。その方が分かりやすい」「出場できる選手が増える」「無気力な投手の打席より、期待の若手や魅力的な外国人の打席を見る方が興行的にも盛り上がる」などが寄せられた。

 ▽セ・リーグのDH制議論経過

 ▼19年10月24日 巨人・原辰徳監督(当時)がオーナー報告でセも「DH制は使うべき」と提言。日本シリーズでソフトバンクに4連敗し「DH制で相当差をつけられている感じがある」。

 ▼20年11月19日 NPBが日本シリーズで全試合DH制を導入すると発表。コロナ下の過密日程で投手の負担軽減を目的にソフトバンクが申し入れ、臨時実行委員会で特例として決定。

 ▼同12月3日 日本プロ野球選手会の選手会総会で12球団の選手会長ら25選手にアンケート実施。9割以上がセのDH制導入に賛成。

 ▼同14日 巨人がセ理事会で21年の暫定的DH制導入を提案。コロナ下での投手の負担軽減、野手の出場機会増などを理由に掲げ、山口寿一オーナー名で提案書を提出も賛同得られず見送り。

 ▼23年1月18日 12球団監督会議のフリートークでDH制の議論に。「セとパでルールが異なる印象がある。なかなか一つの方向性にならない」などの声が上がる。

 ▼25年1月20日 12球団監督会議で、ソフトバンク・小久保監督らから交流戦のセ本拠地でのDH制実施を求める声が上がる。ロッテ・吉井監督は選手にも意見を求めながら議論をと希望。 

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