阪神 佐藤輝の進化を感じた2ストライクからの一発

[ 2025年7月14日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神2-1ヤクルト ( 2025年7月13日    甲子園 )

<神・ヤ(13)> 2回、佐藤輝は空振り三振に倒れる(投手・アビラ) (撮影・須田 麻祐子)
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 【畑野理之の談々畑】

 佐藤輝明の進化が詰まった打席だったと思う。6回無死二塁から右翼席に決勝の24号2ラン。6月15日の楽天戦では猛省していた“確信歩き”も、こんな特大弾なら文句ないでしょ。バットを放り投げたシーンなんか、カッコよかったし。

 この回、先頭の森下翔太が中前打で出塁した。続く佐藤輝はペドロ・アビラの初球ストレートを見逃し、チェンジアップを空振りして2球で追い込まれた。しかし、成長した姿をここから見せた。

 2回先頭での第1打席ではワンバウンドのカーブを振って3球三振に倒れていたが、同じ2ストライクから、ここでは3球目のチェンジアップをファウルで逃げ、4球目の高め真っすぐの誘い球には乗らず、5球目のワンバウンドのカーブは今度は我慢して見逃した。これが暴投となり、森下は得点圏へ。平行カウントの2―2まで戻し、6球目の内角チェンジアップを仕留めてみせた。

 試合は、もう6回で後半に入っていた。3回から4イニング連続で先頭打者が出塁したが、セーフティースクイズの失敗や併殺打などで無得点。アビスの暴投で無死二塁と変わった心境について「いや、もう翔太を還すことだけを考えていました。何とか先制点をね」と言った。

 佐藤輝は2ストライクからの打率が良くない。他の打者も普通はそうなのだが、この打席を迎えるまでの今季の打率が・169と特に悪い。本塁打も2本だけだった。

 4月25日の巨人戦のMBSラジオの解説で、OB会長の掛布雅之氏と本紙評論家の亀山つとむ氏がこんなやり取りをしていた。現役時代、追い込まれた時の対応を問われて――。

 亀山氏 「僕は2ストライクと追い込まれたらバットを短く持ちましたね」

 掛布氏 「相手のバッテリーに気付かれないよう、ほんの少しだけ短くしましたね。4番打者のプライドといいますか…」

 ミスタータイガースも状況に応じた、1点を取りに行く、進塁打などのチーム打撃をしていたと明かしたのは興味深かった。

 記者席から双眼鏡で覗いたが、佐藤輝が短く持ち直したのは確認できなかったが、おそらく心の中では“絶対に空振りはしない”という強い気持ちに切り替えたと予想する。最高の結果のホームランだから当たり前なのだが、これぞ4番という素晴らしい全6球のストーリーだった。

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