古豪・桐蔭(和歌山)146キロ右腕のリレーで初戦突破 ともに足つるアクシデントにも侍ジャパンの教え

[ 2025年7月13日 15:49 ]

第107回全国高校野球選手権和歌山大会2回戦   桐蔭5―4南部龍神 ( 2025年7月13日    紀三井寺公園野球場 )

<桐蔭・南部龍神>1点差で逃げ切り、勝利を喜ぶ中尾(左端)、内田(右端)ら桐蔭の選手たち
Photo By スポニチ

 桐蔭はともに最速146キロを誇る右腕、中尾綾佑(3年)、内田悠斗(2年)がともに右足をつる想定外の事態に陥りながら1点差で逃げ切った。ともに「試合中に足がつったことはない」といアクシデントだった。

 5―0とリードした6回裏、先発の中尾が二塁打に4四死球と突如乱れ2点を失い降板となった。1死満塁を残していた。

 5回終了のクーリングタイム明けで、中尾は「調整が難しかった。チームを悪い雰囲気にしてしまった」は両足がつっていた。中堅手の内田と入れ替わった。主将でもある中尾はマウンドで交代時「ごめん。後は頼んだぞ」と声をかけた。

 中堅手で出場していた内田は攻撃中にブルペンにいったが「立ち投げ」だけ。緊急登板だった。

 暴投で1点は失ったが、140キロ台中盤の速球を連発して連続三振を奪い、ピンチをしのいだ。

 その内田も7回裏1死を奪ったところで右足ふくらはぎがつり、大会本部から給水を受けたあと、治療のためベンチ裏に下がった。
 内田は「足がつっていたので全力では投げられなかった。コントロール中心に打ち取っていこうと思った」と速球派から軟投派に変身してみせた。100キロ台の変化球を使い、速球は130キロ台に抑えた。

 9回裏は連続四球に適時打を浴びて1点差とされ、なお1死一、二塁。それでも「なんとかなる」と変化球で連続内野ゴロに打ち取って、1点差で逃げ切ってみせた。非常事態にも内田は「ふだんから、力を抜いて少ない球数で打ち取る投球をしている」と、対応力の高さを見せつけた。

 矢野健太郎監督(35)は「内田は実に器用な選手。出力が出なくてもうまくかわしてくれると期待した。よく粘ってくれました」と内田に託していた。

 と言うのも、右横手投げの控え投手で主力打者だった上崎(こうざき)翔晴(3年)が今月6日、大会前最後の練習試合で右足を骨折。今も入院中だったからだ。

 その6日には同校OBで「侍ジャパン」社会人日本代表監督の川口朋保さん(53)が激励会に訪れていた。川口さんはいつくか訓示を与えたなかに「常に前向きにとらえる姿勢が大切」と話していた。「後ろを向いていても仕方がない。努力がすべて報われるわけではないが、悔しさを糧に後の人生をがんばれる」。植えつけた前向き精神が窮地で生きていた。(内田 雅也)

この記事のフォト

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

野球の2025年7月13日のニュース