野球界でも値上げラッシュ… 選手とファンの“当たり前の日常”のため奮闘する職員たち

[ 2025年6月11日 08:00 ]

プロ野球チームの遠征には航空運賃から宿泊費まで多くの経費がかかる
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 「物価高」や「値上げ」など耳の痛いワードを聞かない日はないが、モノやサービスの価格高騰の波は野球界にも押し寄せている。

 プロ野球チームの運営には多額の経費がかかる。中でも、シーズン中の遠征にかかる費用はかなり高額だ。ホテルの宿泊費や新幹線、飛行機はもちろん、チームスタッフが球場への移動で利用する大型バスのチャーター費、ホテルでの食事代など必要経費は多岐にわたるが、いずれも値上げラッシュが続く。近年、各球団にとって大きな悩みのタネになっている。

 今年3月までの訪日外国人の累計は1053万7300人で、過去最速で1000万人を突破した。1軍がビジター遠征時に滞在するホテルは基本的に各都市の一等地にある高級ホテルがほとんど。インバウンドによるホテル需要は高まりに比例して、毎年のようにホテル側から宿泊費の値上げを打診されているのだとか。

 ある在京球団の職員は「いつもお世話になっているホテルとシーズン開幕前に話し合って、その年の契約を結ぶのですが、正直かなり高くなっています」と明かした上で「今年は大阪のホテルが一番高いですね。万博もありますし」と続けた。滞在期間中はホテル内のチーム関係者用の食事会場を用意してもらうのだが、当然のことながら食事代もアップしているという。

 ホテルから提示された価格と球団側の予算をすり合わせながら何とか落としどころを見つけているとのこと。一方で、ある球団では宿泊先を変更したケースもあり、今後も同様の事例が出てくる可能性はある。

 値上げ幅が顕著なのは、駅や空港、ホテル、球場間の移動で利用する大型バスの料金だという。バスはシーズンを通しての契約ではなく、その遠征ごとに「1日で●万円」という形で支払うのが一般的で、セ・リーグ球団の職員は「ここ数年で倍近い値段になっています」と渋い表情だ。

 選手経験もあり、現役引退後は球団運営に長く携わってきた球界関係者は「お付き合いのある企業のみなさんの立場も理解できるし、精いっぱいやってくださっている。あくまでも選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが第一条件。質を落とさすにいかにコストを抑えるかという部分で日々、交渉させてもらっています」と話す。

 プロ野球の興業が“当たり前の日常”として継続してる裏側には、世知辛い値上げラッシュに立ち向かう人たちの知られざる戦いがある。(記者コラム・重光 晋太郎)

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