阪神・工藤 虎新人最速158キロをマークし圧巻3人斬り 藤川監督の代名詞「火の玉」も超えた

[ 2025年4月2日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神1―7DeNA ( 2025年4月1日    京セラD )

<神・D>3番手で登板した工藤(撮影・大森 寛明)
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 阪神はホーム開幕戦となった1日のDeNA戦(京セラドーム)に1―7で敗れ、2連敗を喫した。敗戦に悔しがる虎党を慰めるかのように輝きを放ったのは、工藤泰成投手(23)だ。1―4の8回から3番手で登板し、球団新人最速を更新する158キロをマーク。佐野のバットをへし折って、ファンの留飲を下げた。育成新人投手としては3月29日広島戦(マツダ)で歴代最速タイとなる開幕2戦目でデビューを果たした右腕。地元の虎党の前でも、快挙で初見参を彩った。

 京セラドームのスタンドを埋め尽くした観客が、どよめいた。1―4の8回1死、打席に佐野。工藤は、目いっぱいに腕を振ってボールを投じた。「バキッ」。鈍い音が響き、砕かれたバットの破片が飛ぶ。力なく上がった打球を三塁手・佐藤輝がファウルゾーンで捕球。その後だ。球場ビジョンに「158」が表示された。球団新人の最速記録を、ホーム開幕戦に集まった虎党の前で更新した。

 「狙ってはいなかったけど、しっかり腕を振る中で、球速が出ていたという面で良かった」

 この日は全9球中7球の直球を投じ、その全てで150キロを超えた。先頭・宮崎は156キロで押して右飛。佐野を三邪飛に仕留めて2死とした後は、山本を153キロ直球2球で追い込み、最後は5球目の134キロのスライダーで見逃し三振に料理。プロ初登板となった3月29日広島戦では3与四球で2/3回を1失点と精彩を欠いたが、ホーム初登板で本領を発揮してみせた。

 「前回は自分の首を絞めてしまった。きょうは本当にゾーンでという意識だった」

 自慢の剛球は、独立リーグの四国・徳島でつくりあげた。東京国際大4年時のドラフト会議では名前が呼ばれず。その5分後に動いた。下を向く暇もなく父親に電話をかけた。「俺、徳島に行くから」。施設が充実しており、筋力トレーニングを通じて何人もの投手が球速を伸ばした話を聞いていた。入団に迷いはなかった。

 仲間にも恵まれた。ボディービル大会に出場するほどの“筋肉マン”中込(楽天ドラフト3位)がチームメートにいた。野球に生きる筋肉をいかに付け、使うか。一から筋トレについて教わり、即実践。気づけば最速は大学時代の153キロから159キロまで伸びていた。指名漏れした2年前の夜、涙を拭う暇も惜しんで下した決断が、今に生きている。

 3月7日に球団育成新人最速の支配下契約を結び、同29日に育成新人投手ではプロ野球歴代最速タイとなる開幕2戦目でデビュー。そしてこの日は球速の球団新人最速記録を更新した。球速だけなら「火の玉ストレート」を代名詞とした藤川監督の現役時の最速をも上回った。「何も変えることなく、やっていきます」。“最速男”は、まだサクセスロードを歩み始めたばかりだ。(松本 航亮)

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