【センバツ】広島商 23年ぶり8強!吉兆だ 兵庫県勢に勝った3大会は全国制覇

[ 2025年3月25日 06:00 ]

第97回選抜高校野球大会第7日 2回戦   広島商6―2東洋大姫路 ( 2025年3月24日    甲子園 )

<東洋大姫路・広島商> 4回、渡辺裕を空振り三振に仕留めた広島商・徳永(撮影・大森 寛明)
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 2回戦3試合が行われ、広島商(広島)は東洋大姫路(兵庫)を6―2で下し、2002年以来23年ぶりの8強入りを決めた。背番号10の先発左腕・徳永啓人投手(3年)が7回4安打2失点と力投。打っても2回の決勝打を含む2安打1打点と活躍した。前回出場の22年に新型コロナウイルス感染拡大で不戦敗となった2回戦を突破。横浜(神奈川)、西日本短大付(福岡)も準々決勝に進んだ。

 広島商のユニホームを着るために野球を始め、その伝統校を自らの手で輝かせた。徳永が優勝候補に挙がった強力打線を相手に好投。その要因を問われると、「直球で押せたこと」と胸を張った。

 直球の大半が130キロ前後で、最速は133キロ止まり。本格派とは言えない左腕が生かしたのは「出所が見えづらいフォーム」だった。6―1の6回2死一、二塁で7番・桑原大礼を1ボールから127キロの直球で一飛。球速はなくとも、恐れずに押し続けた。

 相手打線の先発7人が左打者と偏っていたことで、左腕の徳永に出番が回ってきた。「いい打者が多くて緊張しました」。自身のバットで不安な心を払拭した。2回1死満塁で先制の右前適時打を放つと、5回まで被安打1、無失点。6回から2イニング連続で失点しても我慢し、7回126球で2失点にまとめた。

 小2の頃、同級生にかけられた一言から全てが始まった。「“広商”でやるために野球やろうよ」。そこから伝統校に進学するための猛練習に明け暮れた。連日、午前5時に起床。父・秀人さん(47)と約1時間の朝練を済ませてから登校した。下校後は母・薫さん(46)が練習相手。キャッチボール相手やノッカー役を務めてくれた。

 練習に付き添ってくれた恩返しをしたいと、高1の頃にたった一度だけ母に伝えたことがある。「甲子園に連れて行ってあげるからね」。中学のチームでは4番手の投手。高2夏に背番号をもらえなかったときは、父に誓った。「いまは全力でサポートする。それで甲子園に出られれば、そのときに背番号をもらうから」。聖地に立てると信じて続けた地道な努力は、最高の舞台で報われた。

 広島商は兵庫勢と春夏通算6度対戦し、今回で4勝目。過去に勝利した3大会は全てで優勝しており、吉兆の白星と言える。甲子園大会で春夏7度の全国制覇を誇る伝統校も、88年夏を最後に栄光から遠ざかる。「先輩らがつくっていただいた伝統に恥じない野球をしたいです」。広島商が演じてきた甲子園での熱戦の一つに、徳永の名前もしっかりと刻まれた。 (河合 洋介)

 ◇徳永 啓人(とくなが・ひろと)2007年(平19)9月7日生まれ、広島県出身の17歳。小2から山本少年野球クラブで野球を始めて一塁手。中学では広島サンズに所属。広島商では2年秋から背番号10でベンチ入り。50メートル走6秒8、遠投90メートル。1メートル73、82キロ。左投げ左打ち。

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