【広澤克実氏 直撃キーマン(下)】阪神・森下は大山の“支え”がやりやすさにつながっている
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阪神・森下翔太外野手(24)が、沖縄・宜野座キャンプで本紙評論家の広澤克実氏(62)と初対談した。「虎の4番」の先輩から牧、宮崎(ともにDeNA)、岡本(巨人)らリーグ屈指の右打者よりも「ポテンシャルは上」と太鼓判を押された。セ界最強右打者に上り詰める決意を新たにし、腰の張りによる離脱期間に得た学びや、互いの「4番論」にも話は及んだ。(取材・構成=八木 勇磨)
(上)からの続き
広澤 昨春は、ピート・ローズ型のバットを取り入れるなど、いろんなことをやっていた。どういうことをやろうとしていたの?
森下 インコースへの対応が課題だったので、インコースや高めの真っすぐをしっかりはじき返せるように取り組んでいました。手で(打ちに)行くのは限界があると自分で感じたので、体をしっかりひねった状態で打ちに行こうと思っていました。イメージとしては、体が回旋した後に、バットがポンっと出てくるイメージでずっと取り組んでいました。
広澤 なるほど。
森下 自分の中では、上から球をつぶすぐらいの勢いで振るのがちょうど良かったので、そういう練習をずっとやっていましたね。
広澤 その考えは今もある?
森下 ありますね。
広澤 4番打者を長年続けてくると、プロとアマチュアの違いも見えてくる。みんなの給料が上がるかどうかも、4番の成績に懸かってくるじゃない。優勝すると、ユニホームを着ていない人も含めて、いろんな恩恵を受ける。いろんな人を幸せにすることができますよね。でも、それは1年目から考える必要はなくて、全て自分のためにやればいい。“この打席は打てなくていいや”なんていう打席はないでしょ。
森下 もちろん、全部打つ気です。
広澤 その積み重ねが信頼になる。5番に座る大山選手は、森下選手をしっかり支えたいと話していた。先輩の言葉も胸に響いた?
森下 仮に言葉がなくても、そう思ってもらっているだけで、凄くやりやすさを感じます。それ(大山の言葉)を意識してプレーすることはないかもしれないですが、そう思ってもらっているということは“好きにやれよ”という意味だととらえています。
広澤 キャンプを過ごす上で、1年間4番で戦うイメージはできてきましたか?
森下 何番を打つことになっても、今のところは変わらないです。4番を打つから心境が変わることはありません。1年間やってみたら分かるかもしれないですが、今のところはそこまでイメージはありません。
広澤 もうプロ3年目か。さっきも言ったけど、ポテンシャルとしては牧選手や宮崎選手、岡本選手に負けていない。絶対そういう選手になれる!
森下 そう言っていただけるのはうれしいですね。もちろん、自分も“負けている”と思って練習やプレーをしていません。勝てると思ってプレーしてはいますが、結果は牧さん、宮崎さん、岡本さんが圧倒的に残している。結果が全ての世界なので、あまり大きいことは言えないですが、やっていることや取り組む意識に関しては「勝っている」と自信を持っています。
広澤 今回、腰の張りでちょっとスロー調整の時期があったよね。スロー調整の期間に、改めて学んだことや、自分に返ってきた部分はあったのかな。
森下 他の選手のバッティングを見る機会も増えました。同じ右打者の大山さんを見ていましたね。大山さんの室内のバッティングを見て、ちょっと試したいなって思ったものをメモして、やってみて、でも、ちょっと合わないな、と思うこともありました。いろいろトライをできた、良い期間になりました。
広澤 昨年途中に2軍へ降格した時、「森下を1軍から外したら優勝はない」と周囲には言っていた。でも、外れちゃった。ただ、短い期間で1軍に帰ってきたから、最後までチームは優勝争いできたんだと私は思っています。今年もあなたがキーマンになると思っています。
森下 全力で頑張ります!
【取材後記】
森下と広澤氏が内角球のさばき方について意見交換をしていると、4番の先輩は、撮影用に準備された森下のバットをおもむろに手に取った。元1軍打撃コーチの血が騒いだのか、右手首の使い方や角度、バットの出し方などを熱血指導。森下も「こうですか?」「え、もっとですか?」と興味津々でスイングを繰り返していた。
与えられた取材時間は20分で、少々強引にコーチングを切り上げてもらったことが惜しまれる。それほど中身の濃い内容だった。終了間際に広澤氏が言った「俺の理想はバリー・ボンズ」に森下が食いつき「来年の課題。もう決めています」と言った瞬間、“再タッグ”は決定的に。来春は2人の熱い「ボンズ論」をお届けしたい。(阪神担当・八木 勇磨)
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