楽天・岸 7回3失点で5勝「毎回、吐きそう」 チームは3連勝で3位ロッテ戦に勢い

[ 2024年9月17日 05:30 ]

パ・リーグ   楽天6―5日本ハム ( 2024年9月16日    楽天モバイル )

<楽・日>楽天先発の岸(撮影・篠原岳夫)
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 ベンチで祈るように戦況を見守っていた楽天・岸の表情が一瞬で緩んだ。3点リードの9回。守護神の則本が1点差に迫られ、なお2死一、二塁で田宮を空振り三振。なんとか逃げ切った右腕について「(逆転されたら)ひっぱたいてやろうかなって」と冗談を飛ばしつつ「ノリもノリで毎回しんどい思いでやっている。勝てばいいです」と思いやった。

 7回5安打3失点にまとめ、降板直後に打線が逆転して5勝目。だが、決して楽な投球ではなかった。初回2死からレイエスに先制ソロを被弾。すぐに味方が追いつくも、2回に万波に勝ち越し弾を浴びた。最速は143キロ。直球の質は「悪くない」と話したが、球場表示は130キロ台前半もあり「ガンがおかしい(笑い)。131キロとか出ていたので気にしないようにした」と無心で腕を振った。

 前夜は西武時代に同僚だった金子侑の引退試合を画面越しに見守った。自身が初めて開幕投手を務めた13年3月29日の日本ハム戦。新人ながら「7番・右翼」で先発に抜てきされたのが金子侑だった。6学年下の34歳について「(自分と同じで体の)線が細かったけど守備でも打撃でも助けてもらった。本当にお疲れさま」と惜別のエール。自身は12月で40歳になるが衰え知らずで楽天で節目の60勝に到達しても「もっと勝ちたい」と意気込む。

 チームは3連勝で貯金を1とし、17日からはCS進出を争う3位・ロッテと本拠地で2連戦。連勝なら勝率で上回り順位が入れ替わる。「毎回、吐きそうになって、いっぱいいっぱい」と岸。百戦錬磨の男は、まだまだチームに必要だ。(花里 雄太)

 ≪通算勝利数歴代単独47位≫岸(楽)が通算163勝目を挙げ、土橋正幸(東映)の162勝を抜く通算勝利数の歴代単独47位に浮上。勝利数を在籍球団別に分けると西武で103勝を挙げており、楽天ではちょうど60勝目。2球団で60勝以上は史上7人目。そのうち2リーグ制以降の入団選手では小山正明(神=176勝、ロ=140勝)、小林繁(巨=62勝、神=77勝)に次ぎ3人目、パの2球団では岸が初めてだ。

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