熊本工が4強 背番「10」2年生右腕の山本が3安打完封 帽子のつばに黒々と「漢」の文字

[ 2024年7月22日 05:30 ]

第106回全国高校野球 熊本大会4回戦   熊本工6―0有明 ( 2024年7月21日    リブワーク藤崎台 )

<熊本工・有明>完封でベスト4進出を決めガッツポーズする熊本工・山本(撮影・杉浦 友樹)
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 熊本大会は21日、準々決勝2試合が行われ、ベスト4が出そろった。熊本工は有明に6―0で勝利。背番号10の2年生右腕、山本凌雅投手が9回102球で3安打完封した。奪った三振はわずか2と打たせて取る投球が光り、三塁を踏ませなかった。九州学院は3―2でルーテル学院との接戦を制した。両校は23日に行われる準決勝で激突する。

 102球目。最後の打者を打ち取ると、熊本工の山本凌雅(りょうが)は力強く右拳を握った。散発3安打の完封。名前のように有明打線を“凌駕(りょうが)”し「熱くてきつい中でしたけど、力を余すことなく全部出し切れた」と笑みがこぼれた。
 1年夏からベンチ入りし、期待されてきた背番号10の2年生右腕が躍動した。直球に加え、スライダー、カットボールがさえた。三塁を踏ませず「コースにいいところに決まった」とうなずいた。
 努力の成果だ。身長1メートル75と投手として体格に恵まれているわけではない。直球は130キロ台だが、制球を磨いてきた。夏の大会に向け「ゾーンで勝負できる投手」を目指しブルペンでは10球連続でストライクを取ることを意識して投げ込みを続けた。今大会は全3試合で先発。6回に今大会初めて四球を与えたが、計22回を投げ四死球1と制球の良さが光っている。田島圭介監督は「低めの制球は彼の長所。存分に出してくれた」と称えた。

 帽子には「漢(おとこ)」の文字が記されている。けがの影響などでレギュラーから控えとなった背番号13の金子裕誠(3年)に書いてもらった。「ベンチからという人もいる。覚悟を持って投げる」と強い気持ちでマウンドに立っている。

 今春の県大会で初戦敗退の屈辱を味わった古豪が、3年ぶりの夏の甲子園まであと2勝とした。あす23日の準決勝はともに甲子園常連の九州学院との伝統の一戦。山本は「絶対に甲子園に出たい」と力強く誓った。 (杉浦 友樹)

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