お股ニキ氏には今季の阪神がどう見えていた? 一問一答

[ 2023年10月10日 05:15 ]

阪神・岡田監督
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 今年の日本球界では特に阪神をチェックしてきたというお股ニキ氏。85年以来38年ぶりの日本一を狙うチームが、どう見えているのか。さまざまな質問をぶつけた。

 ―今年の阪神は打者では四球が多く、投手は四球が少ない。

 「打者は積み重ね。矢野監督時代は“積極的に打て”と言っていて、その姿勢で打てるようになり、ある程度成熟してきた。そこに岡田監督の“もうちょっと選ぼう”や、四球を選んだら査定がプラスになる、などが加わった。そういった、いろんな積み重ねで成熟したというイメージ。岡田監督の最後の仕上げというか」

 ―投手陣は。

 「単に四球撲滅、ストライクゾーンに投げろと言って減るものではない。ゾーンに安易に置きにいけば打たれる。精度の高い投手をそろえるなど、球団自体がデータや球質を理解していることが積み重なって、この結果になっています。安易にそれを目的にするのではなく“結果として”四球が増減して得失点が改善し、勝利に結びつくことが重要です」

 ――今年同様に独走でリーグ優勝の05年は日本シリーズで4連敗。短期決戦の懸念は?

 「05年はロッテが下克上でプレーオフを激戦続きで勝ち上がり、勢いに乗っていた中で阪神は間が空き(※注1)、実戦感覚がなくなっていた。今は、そのような(リーグ間での)差もないし、フェニックス・リーグなども活用できます」

 ――短期決戦は絶対的エースを抱えるチームが勝つケースも多い。
 「今年の阪神は、僕が好きだった15年のロイヤルズ(※注2)のようなチーム編成。圧倒的な選手はいないが、全員が平均的にレベルが高く9番までそろっていた。投手もリリーフは6回くらいから誰を出してもいけた。守備も走塁も良く、総合力が優れ、投手が抑えているうちに何とか加点して、気づいたら勝っているみたいなシステムが出来上がっていた。(阪神も)短期決戦にも強いチーム編成になっているのかな、というイメージは持っています」

 ※注1=05年はパ・リーグにプレーオフが導入されていたのに対し、セは優勝チームが日本シリーズに進出。阪神は2位の中日に10ゲーム差をつけて9月29日に優勝を決めた。2位から勝ち上がったロッテと10月22日からの日本シリーズは4連敗。うち3試合で10失点した屈辱は、4試合のスコアの合計で「33―4」などと表現された。

 ※注2=主要部門で個人タイトルを獲得した選手はいなかったが、チーム打率は30球団中3位の.269で、救援防御率は同2位の2.72。レギュラーシーズンではア・リーグ最多の95勝をマークして地区優勝した。ポストシーズンでは全11勝中8勝が逆転勝ち。メッツとのワールドシリーズを4勝1敗で制し85年以来30年ぶりの世界一に。

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