広島 3発G倒で貯金10 マツダ花火大会の着火はデビッドソン14号2ラン「芯で捉えることができた」

[ 2023年8月21日 06:30 ]

セ・リーグ   広島7ー5巨人 ( 2023年8月20日    マツダ )

<広・巨>ヒーローインタビューを終え笑顔でポーズする(左から)広島のデビッドソン、末包、堂林(撮影・奥 調)
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 広島は20日の巨人戦に3本塁打の一発攻勢で競り勝ち、2カード連続勝ち越しで9日ぶりに貯金10に戻した。マット・デビッドソン内野手(32)と末包昇大外野手(27)が2戦連発でそろい踏みなら、1点差の5回には堂林翔太内野手(32)が中堅右へ3ランを打ち込んで突き放した。

 広島の夜空に打ち上がった“3発の花火”に真っ赤に染まった本拠地が沸いた。まずはデビッドソンだ。1点を先制した初回、なお2死一塁でメンデスの直球を捉え、バックスクリーンへ14号2ランを突き刺した。

 「芯で捉えることができた。相手がどこであれ、チームが勝つことがうれしい」

 今季3度目の2戦連発。これで14本塁打のうち8本が巨人戦とキラーぶりが止まらない。周囲が騒いでも本人は「偶然こういうことが重なっている」と冷静に受け止める。来日1年目の今季は前半戦から日本人投手の対応に苦しんできた。左足を高く上げる打撃フォームから、すり足気味に変更したり、トップの位置を変えたりして試行錯誤を続けてきた。その成果が表れ始め、「少しずつ対応できていると手応えは感じている」とうなずいた。

 末包も触発された。3―0の2回先頭でメンデスの初球スライダーを捉えて左翼席へ4号ソロ。2年目で初の2戦連発を喜んだ。

 「昨日の感覚が良かったので、打席にもいいイメージで入ることができた。2日続けてはプロ初なのでうれしい」

 18日には高松商の8学年後輩、巨人・浅野がプロ初本塁打を放ち、「あいつはスゴいです」と目を細めていた。負けじと2日続けて持ち味を発揮し、先輩の威厳を示した。

 一発攻勢のトリを飾ったのは堂林だった。1点差に迫られて迎えた5回2死一、三塁で田中千の152キロを中堅右へ運んだ。ダメ押しの7号3ランに「あそこに飛ぶのは自分の、いい特長でもある。いいスイングができた」と納得の表情だった。17日には32歳の誕生日を迎えた。「ケーキは一人で食べました。活躍しているのが、子供たちもうれしいと思うし、若い子に負けないように鼓舞しながら、頑張ろうと思う」。ナイターだった誕生日当日は自宅に戻ると、3人の子供はすでに就寝中。翌朝には手紙を受け取り、激励を力に変えた。

 マツダスタジアムでの1試合3本塁打は22年8月27日の巨人戦以来。新井監督も「大きかったね」と目を細めた。首位・阪神とは7ゲーム差のままでも、末包がお立ち台で「みんなで優勝しましょう!」と叫んだように、誰一人、諦めていない。
 (長谷川 凡記)

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