次々と新戦力が台頭して、15日にもマジック29点灯 その日、岡田監督から、どんな言葉が聞けるか

[ 2023年8月14日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神5ー3ヤクルト ( 2023年8月13日    京セラD )

<神・ヤ>ヒーローインタビューを終えポーズを決める小野寺(左)と桐敷 (撮影・奥 調)
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 【畑野理之の談々畑】10連勝を決めたお立ち台に立ったのは小野寺暖と桐敷拓馬。中心打者でも、エースや守護神でもない若い2人の声と笑顔は新鮮だった。首位を独走する阪神の今の状態の良さを感じる。

 2回に1点を先制されたが、3回に3得点して逆転。小野寺が7月15日の中日戦以来のスタメンに入り、逆転決勝の2点右前打を放った。守備からの途中出場となった前日12日の同戦で延長11回1死一塁で打席に立ったがバントを決められずに三振。翌日すぐに汚名返上するどころか、ヒーローの一人になる大当たりだ。

 「昨日までの9連勝で一度も活躍できなかったので、きょうはヒーローになろうと必死でした」

 8月3日の中日戦から始まった今回の10連勝中、原口文仁や糸原健斗が代打で存在感を発揮。リリーフ陣も桐敷が2試合続けて回またぎの好救援を見せるなど新しい芽が出てきて猛アピールする。新外国人のコルテン・ブルワーもウエスタン・リーグの広島戦で1イニングを3人で片付け、近々の1軍合流へ準備も完了。小野寺の言葉に代表されるようにチーム全員が優勝へ向かう輪に加わろうと必死だ。一つ戦うごとに、その力はどんどんと大きくなっている気がする。

 岡田監督は試合後に、5回の打席で左手首に死球を受けた梅野隆太郎の診断は骨折、今季絶望だと明かした。ホンネは「キツいですよ」と表情を曇らせたが、すぐに坂本誠志郎を中心にまたやりくりが始まるのを覚悟した。新戦力の台頭にも期待する。

 2位の広島と8ゲーム差がついた。次戦は敵地マツダスタジアムに乗り込んでの直接対決3連戦で、あす15日に勝てば優勝マジック29が初点灯する。前回リーグ優勝した05年は、試合のなかった9月14日に2位の中日が敗れて初めて優勝マジック13が点灯。18年前のその日、私は岡田監督を取材している。

 「1とか2やったらやけど、(優勝マジック13は)まだなあ。自力で勝って、この数字を減らしていくことになるよ」。05年はその言葉どおり、9月29日の胴上げまで11試合を8勝3敗で駆け抜けている。今年は初点灯の時にどんな言葉が聞けるか。およそ1カ月早い8月中の点灯になっても、ぼんやり見えてきたゴールテープまでスピードをゆるめることはないのだろう。

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