【甲子園】北海“小刻み継投”の舞台裏 先発・岡田、最初に聞いた時は「びっくりしました」「直前に…」

[ 2023年8月14日 17:07 ]

第105回全国高校野球選手権記念大会第9日・2回戦   北海3―2浜松開誠館 ( 2023年8月14日    甲子園 )

<北海・浜松開誠館>北海先発の岡田 (撮影・須田 麻祐子) 
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 北海(南北海道)が2試合連続のサヨナラ勝ちで準優勝した2016年以来7年ぶりの3回戦進出を決めた。08年夏の報徳学園以来15年ぶりとなる2戦連続サヨナラ勝利で南北海道勢の春夏通算甲子園99勝目。これで16強が出そろった。台風接近のため15日は中止が決定。16、17日に3回戦8試合が行われる予定となっている。

 2度追いついて迎えた9回。再び熊谷がマウンドに上がり得点を許さず。その熊谷が先頭で左前打で出塁すると犠打で二塁に。そして関が相手2番手・近藤の7球目140キロの高め直球を振り抜いた。打球はグングン伸びて左翼手を越える。二走・熊谷がガッツポーズで生還し激戦に終止符を打った。

 投手陣は小刻み継投が光った。先発・岡田が4回に先制を許すも、その後は5回途中から長内がマウンドに上がり、岡田は三塁の守備に就く。7回に岡田が再び投げ、8回は熊谷をマウンドに送ったが、1死から連打を許し1死一、三塁のピントを招くと1死奪ったところでベンチは左打者の4番・本多の場面で再び左腕・長内をマウンドに送る勝負手を打った。しかし、その本多にしぶとく右前に運ばれ勝ち越しを許した。その裏、小保内に同点適時打が飛び出し、同点の9回には再び熊谷がマウンドに。しっかり無失点に抑えサヨナラを呼びこんだ。

 先発を任された岡田は、この継投策について「直前に選手を集めて(平川監督が)話して、試合中も話していたので、そこで気持ちの切り替えはできていたので、こういう勝ちにつながったと思う」と想定内だったと語った。

 最初にこの継投を聞いた時は「びっくりしました。サードの練習もこっちきて一度もやってなかったんで。不安はありましたけど、勝つことが一番なんで。どこ(のポジション)に行っても頑張りたいと。(三塁を守るのは)北海道の春の支部大会以来ですね」と素直な思いを明かし笑顔を見せた。

 岡田、長内、熊谷の3人が2度ずつ登板。「一回サードに行って、もう一度どっかであるぞって言われたので、気持ちの準備は出てきた」と岡田。先発についても「昨日、クラークの出迎えの時に〝明日は先発だ〟と。気持ちの整理には時間がかかった。久しぶりなんで、熊谷の肘の状態もある。長内も明豊戦にああいう形で終わって万全ではなかったんで、どっかで自分しかないなっていうのはあった」と舞台裏を明かしつつ、しっかりと気持ちを落ち着かせて臨んだ一戦だった。

 「みんな試合になれば最後までやりきってくれる投手。信頼できる投手です」。投手陣の厚み、そして打線、チームの勝負強さは、ミラクル北海旋風の再現を期待させる。

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