阪神・佐藤輝 田淵&岡田に並んだ 新人から3年連続2桁弾 後半戦復活の兆し「打てるように頑張ります」

[ 2023年7月18日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4―1中日 ( 2023年7月17日    甲子園 )

<神・中>お立ち台でポーズを決める西純(左)と佐藤輝(撮影・北條 貴史)
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 阪神・佐藤輝明内野手(24)が前半戦最終戦だった17日の中日戦で31日ぶり本塁打となる先制弾を放って3連敗からの脱出を決めた。初回2死一、二塁から右中間へ、出場13試合47打席ぶりの10号。球団3人目の「新人から3年連続2桁本塁打」を達成した。2軍降格を経て3年目で最も遅い到達。後半戦の完全復活につなげたい。

 誰もが待っていた。初回2死一、二塁の先制機。佐藤輝が描いた復調への弾道に3連休最終日の甲子園は蜂の巣をつついたような大歓声に包まれた。

 「久しぶりだったんで、どんな表情で走ったらいいか分からなかった。打ってないときも球場でタオルを掲げてもらった。その応援のおかげで打てた」

 ベース一周の感覚を忘れかけるほど、もがき、苦しみ続けていた。横浜遠征中だった先月25日に1年目以来2年ぶりの2軍降格。プレー以外の姿勢を含め、主力としての自覚を促すための措置だった。5日の復帰後も本来の当たりが影を潜め、昇格後は前日までの9試合で打率・097(31打数3安打)。悩める時期を過ごし続け「まあ、しんどいですけどね…」と漏らす日もあった。

 岡田監督からは時にメディアを通じ、厳しい言葉を投げかけられた。「期待してもらっているからこそ。結果は出ていないですけど、やることは変わらない」。不振でも前夜の6番から打順が上がった。岡田監督は「涌井は打ってたからな」と説明。楽天時代に対戦した21年を含めて過去6打数3安打(3四球)だった相性を踏まえた4試合ぶり5番起用に第1打席で応えた。

 課題とし続けてきた直球を完璧に仕留めた。カウント1―1から3球目、初球から続けてきた右腕の147キロを一閃(いっせん)。打球角度19度、時速175キロの弾丸ライナーを右中間最深部に突き刺した。「ずっと打っていなかったんで、いろいろ試して。一つ結果が出たので良かった」。入団が1年先だった同じドラフト1位の西純を強力援護し、「純矢も(前半戦)苦しんでいたんで、助けてあげることができて良かった」と胸を張った。

 「でも、まだまだなんで。打てない時期が続いたので、後半は打てるよう頑張ります」

 3年目で最も遅い10号到達。「うれしいですけど、もっともっと積み重ねていけるように」と余韻に浸りきることはない。31日ぶりの感触を握りしめ、後半戦の逆襲を見据えた。(阪井 日向)

 <左打者では球団初>○…佐藤輝(神)が初回、右中間へ先制の10号3ラン。これで新人の21年から24→20→10と3年連続の2桁本塁打。阪神で新人から3年連続は岡田彰布の12年、田淵幸一の10年に続く3人目で、左打者では初めて。今季は出場74試合、296打席目の10号到達。新人の21年(5月7日)は出場33試合、129打席目。22年(5月18日)は出場43試合、182打席目で、今季が最も遅いペース。

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