オリ・舜平大 地元福岡でかつて応援していたソフトBを圧倒8勝 「7回の風船、懐かしいなと」

[ 2023年7月18日 06:00 ]

パ・リーグ   オリックス3―0ソフトバンク ( 2023年7月17日    ペイペイD )

<ソ・オ>地元福岡のファンに手を振る山下(撮影・中村 達也)
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 オリックス・山下舜平大投手(21)がプロ3年目で初の地元登板だった17日のソフトバンク戦で8勝目を挙げた。福岡市出身で幼少期は鷹党。高校3年夏以来のペイペイドームで7回零封し、誕生日から1日遅れで自ら花を添えた。敵地でソフトバンクに同一カード3連勝を飾るのは10年ぶり。9年ぶりの貯金17で2位・ロッテを今季最大3・5ゲーム差へ突き放し、後半戦に弾みをつけた。

 21歳になったばかりの山下が力でねじ伏せた。「子供の頃、応援していたチーム。敵として投げるのは、ちょっと違和感があったけど、勝てて良かった」。故郷で投げるのはプロ3年目で初めて。最高の笑顔が映えた。

 「家族や友達も来ていたので、絶対勝ちたかった。7回の風船、懐かしいなと思いながら見ていた」

 幼少期は「本多(雄一)さんや川崎(宗則)さんとかずっと見ていた。野手が好きでした」と強いホークスに胸を躍らせた一人でも、いまはオリックス次代のエース候補。泥沼にはまった鷹に二塁すら踏ませず、容赦なく抑え込んだ。

 母校からも近いペイペイドームでの登板は福岡大大濠3年だった20年夏以来。コロナ下で甲子園大会が中止になり、県独自大会の決勝で福岡に延長11回の末に3―4のサヨナラで敗れた。「あれも別に悪いイメージではなかった」。思い出をかみしめながら全力で腕を振った。

 前日16日が誕生日。祖父母、友人らとともに球場で観戦した母・美智代さんからは名前&背番号入りのボールペンとタオルハンカチを贈られ、「ファンの方や親に(プレゼントを)渡してもらえた。最高でした」とはにかんだ。

 自己最速まで1キロに迫る158キロを計測。回転数がテレビ中継に表示されるペイペイドームで2600回転を超える直球を投げ込んだ。プロ投手の平均は2200回転程度で、160キロ近い球速と両立する速球は驚異的だ。フォークもさえ、被安打2、8奪三振で圧倒した。

 開幕投手の大抜てきでデビューし、9勝の山本に次ぐリーグ2位の8勝で前半戦を終了。“貯金6”は山本と同じで、中嶋監督の就任3年目で最多の貯金17への貢献度は大きい。「もっと改善して後半戦に臨む」。目指すリーグ3連覇に欠かせない戦力になった。(山添 晴治)

 ▽山下の20年夏 新型コロナウイルスの影響で選抜に続いて選手権大会が中止。代替開催された「がんばれ福岡2020福岡地区大会」に福岡大大濠のエースとして出場した。ペイペイドームが舞台だった福岡との決勝戦(8月3日)では先発して130球の完投。0―0で延長戦タイブレークにもつれ込み、3―1の11回に最速151キロを計測する力投実らず逆転サヨナラで敗れた。

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