“最後の一人”DeNA・バウアーが球宴主役 プラスワン史上最多得票で選出でサプライズ“公約”

[ 2023年7月15日 05:30 ]

球宴のプラスワンで選出され、笑顔でポーズするバウアー(撮影・須田 麻祐子)
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 「マイナビオールスターゲーム2023」に出場するセ、パ各リーグのプラスワン投票の結果が14日に発表され、セは同投票で史上最多の36万9446票でDeNAのトレバー・バウアー投手(32)が選ばれた。20年のサイ・ヤング賞右腕は、来日1年目で強く出場を希望していた舞台で横手投げやスローカーブなどサプライズを予告。「最後の一人」が主役級の注目を集めそうだ。パはオリックスの山本由伸投手(24)が選ばれた。

 プラスワン投票で史上最多の36万9446票。2位のヤクルト・村上と33万票以上差の圧勝だ。期待に応える準備はできている。バウアーは「皆さんに感謝。僕を見たいという方が多かったということ。どんな形であれ、必ずファンを楽しませようと思う」と誓った。

 大願成就だ。大物選手は球宴期間で自分の休みを希望することが多いが日本の野球や文化も積極的に学ぶ右腕は違う。1軍デビューを果たした5月は1勝2敗、防御率.86と本領を発揮できなかったが、6月上旬に自身のYouTubeで「取引しよう。僕に投票したらオールスターバージョンの特別ブログを公開する」と自身への投票をファンに訴えて出場を熱望した。ファン投票は23万5943票と健闘も2位。だが、諦めなかった。

 異国での生活や日本の打者にも慣れた6月は4戦4勝で月間MVPも獲得。プラスワン投票での選出に向け、8日にはツイッターで「もう一度僕に投票して」と訴えた。投票締め切りは12日の午後11時59分。同日の甲子園での阪神戦では7勝目こそならなかったが、8回途中4失点の熱投を見せた。メジャー通算83勝の実績におごることなく、純粋に球宴出場を希望し、泥くさくアピール。そんな姿が得票につながった。

 すでにサプライズを頭に描く。「160キロは投げたい」と自己最速159キロの更新を目標に掲げ、球宴史上最速の164キロについては「ササキ(ロッテ・佐々木朗)が更新するよ」と譲ったが「サイドスローはできる。それにスローカーブの投げ方が分からないから(現役時代に得意だった)三浦監督に聞きたい」と宣言。指揮官は13年球宴で日本ハムの新人・大谷(現エンゼルス)を計測不能の超スローカーブで投ゴロに抑えただけに、その再現も視野に入れる。

 向上心の塊でもあるバウアーは「スプリットの投げ方をいろんな人に聞いてみたい」と目を輝かせ「凄い選手たちと交流し、彼らにも僕のYouTubeに出てもらいたい」と一流選手との共演も見据える。試合前も試合でも何をするか分からない。そのワクワク感こそが球宴の魅力。「最後の一人」が、今夏の主役となりそうだ。(大木 穂高)

 ≪番長ばりスローカーブ予告に伝授約束≫三浦監督もバウアーの球宴出場を喜んだ。「俺が見たいのは(奪三振時に披露することがある)ソードセレブレーションだね」と笑顔。バウアーがスローカーブの伝授を希望したことには「話はしておきます」と語った。助っ人は前半戦の最終戦である17日の広島戦(横浜)に中4日で登板する予定。日程的に登板間隔が詰まることになるが、指揮官は「本人と話します。それで公式戦の登板回数を減らすことはありません」と続けた。

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