古川学園・今野 人生最大のチャンスで主役の座奪う 西武・渡辺GM「投げっぷりいい」

[ 2023年7月15日 05:15 ]

第105回全国高校野球選手権宮城大会・2回戦   古川学園4―0日本ウェルネス宮城 ( 2023年7月14日    仙台市民 )

<古川学園・日本ウェルネス宮城>3安打完封した古川学園・今野(撮影・村井 樹)
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 大きな野望を持ってマウンドに上がった。古川学園の最速153キロ右腕・今野一成(3年)は、人生で最大のチャンスだと分かっていた。

 「大内君だけじゃなく古川学園の“俺もいるぞ”と思ってもらうため、野球人生を変えるつもりで投げた」

 ネット裏には西武の渡辺久信GMやヤクルト・小川淳司GMら幹部クラスなど、スカウト陣が集結していた。お目当ては対戦相手だった日本ウェルネス宮城の1メートル91の長身右腕・大内誠弥(3年)。だが、その大型右腕とは対照的な1メートル70と小柄な今野が、主役の座を奪ってみせた。強じんな下半身で踏ん張って投げ込む直球は初回から151キロを計測。最後まで140キロ台中盤の直球でねじ伏せる強気の投球で3安打完封し「最後はバテたが気持ちで投げ切れた」と胸を張った。

 4回までは直球と同じく「空振りを取る自信がある」と語ったスプリットとのほぼ2球種で完全投球。7回1死満塁も直球主体で無失点で切り抜けた。西武・渡辺GMは「馬力もあり投げっぷりもいい」と評価した。

 春夏通じて甲子園出場はないが、夏は2年続けて4強。「今年こそ仙台育英を倒して絶対に甲子園へ行く」と今野。聖地と夢のプロ入りへ、その力を証明し続けるのみだ。 (村井 樹)

 ◇今野 一成(こんの・いっせい)2005年(平17)4月16日生まれ、宮城県出身の18歳。名取二中から古川学園へ進み1年夏から主戦投手として活躍。夏はここまで2年連続宮城大会4強入り。好きな選手は西武・平良。最速153キロ。50メートル走6秒4。遠投100メートル。1メートル70、82キロ。右投げ左打ち。

 ≪岩崎マネ聖地でノックしたい≫古川学園の岩崎由芽マネジャー(3年)が試合前の7分間、「甲子園へ行ってほしい」と願いを込めてノッカーを務め、ユニホーム姿のまま記録員としてベンチ入りした。兄・生弥さんは仙台育英OBで、昨夏の甲子園決勝で満塁本塁打を放ち日本一に貢献。兄の雄姿を聖地で目に焼き付けた岩崎マネジャーは「次はこのチームで甲子園に行き、100点のノックを甲子園でしたい」と話した。

 ≪西武・渡辺GM「これからが楽しみ」≫プロ注目の最速144キロ右腕、日本ウェルネス宮城の大内誠弥(3年)は、先発して5回2/3を4失点で敗戦。「情けないピッチングをしてしまい申し訳ない」と悔やんだ。身長1メートル91から投げ下ろす直球が魅力で、伸びしろはまだまだ十分。進路についてプロ志望か問われ「はい」と力強く言い切った。視察した西武・渡辺久信GMも「体はまだ細くこれからが楽しみ。変化球もいい」と評価した。

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