“もしもの時”の捕手・原口なのに… 得点力不足で指揮官もイライラ、カリカリ

[ 2023年7月7日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神0-4広島 ( 2023年7月6日    マツダ )

<広・神>ベンチを出て村上を出迎える原口(左から2人目)(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

【畑野理之の談々畑】 阪神は0―3の7回、2死からシェルドン・ノイジーが四球で出塁すると、岡田彰布監督は次打者の坂本誠志郎に代打・渡辺諒を送った。渡辺諒は左翼線に二塁打を放って代打策は成功したが、ノイジーが本塁タッチアウトで無得点。7回裏から梅野隆太郎がマスクをかぶった。

 ここで阪神のベンチ内では“もしもの時”は原口文仁を捕手起用することを確認している。ベンチ入り捕手は坂本と梅野の2人だけ。梅野が衝突などで負傷したり、打席が回ってきて死球を受けるなど最悪の場合も想定したのだ。原口は代打の1番手で、この時点の準備はバットスイングが優先。ブルペンで投球を受けさせたり、サインの確認をさせたりの指示までは出していないものの、緊急事態には備えた。結局は原口の出番は何もないまま試合は終わった。

 中川勇斗が一度も出場しないまま6月9日に出場選手登録を抹消されてから捕手は2人制を敷いている。ちなみに、この日の5試合10球団では西武と2球団だけ。坂本と梅野がスタメンマスクをかぶった試合はゲームセットまでフル出場させるのが基本となっている。捕手2人制以降の途中交代は、13日のオリックス戦で0―2の9回2死一、二塁から坂本に代打・原口、18日のソフトバンク戦で0―9の9回2死一塁で梅野に代打・渡辺諒の2度しかない。

 その中川が抹消された6月9日の日本ハム戦から昇格したのが原口だが、岡田監督は札幌に捕手ミットを持参するよう指示。以来、原口はかつて愛用していた捕手ミットをコソッと忍ばせている。昨年から内野手登録に変わっているが、捕手として09年のドラフト6位で入団。16年には87試合にマスクをかぶった経験がある。

 岡田監督はなにも原口を捕手として期待しているわけではない。昨年から一度も練習させていないのだから、何かあったら頼むなというお願いレベル。そうでもしてベンチに控え捕手を空っぽにしたのは、打たんかい、点を取らんかいという攻撃陣へ発したメッセージだろう。

 先のカードの巨人戦から得点は1、3、2、そしてマツダスタジアムでも1、2、0。ここ6試合で計9得点に、岡田監督は「坂本に代打?そらチャンスつくらんとアカンわけやから」とイライラ、カリカリしていた。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月7日のニュース