阪神・佐藤輝「強い当たりは打てている」再発進の右前打 好相性の甲子園に帰ればもっと打つ!

[ 2023年7月7日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神0-4広島 ( 2023年7月6日    マツダ )

<広・神>4回、右前打を放った佐藤輝(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 前日5日に1軍再昇格した阪神・佐藤輝明内野手(24)が、6日の広島戦(マツダスタジアム)で復帰後初安打を放った。チームは0―4で今季9度目の零敗を喫し、交流戦の西武3連戦(ベルーナドーム)以降、敵地で6カード連続勝ち越しなしとなったが、下を向いている暇はない。7日からは倉敷開催1試合を除き、21勝12敗2分けと高勝率を誇る甲子園に腰を据えて球宴前最後の3カードを戦う。再進撃の旗印を担うのは、もちろん佐藤輝だ。

 勝ち越しを懸けた勝負の3戦目は、わずか2時間41分で幕を下ろした。最後の打者は佐藤輝。夜空に舞い上がった力ない飛球は二塁手・菊池のグラブへ収まった。最後まで4点差逆転のミラクルを信じ、祈っていた虎党からは深いため息が漏れた。だが背番号8の目は光を失っていない。この試合で放ったかすかな輝きを、次戦以降につなげてみせる。

 「(安打が出て)良かったです。(右方向に)引っ張って強い当たりは打てている」

 4回2死の第2打席で放った痛烈な右前打は、チーム、そして自身の浮上のきっかけになり得る。1軍復帰後6打席目で、6月17日ソフトバンク戦以来14打席ぶりの快打。佐藤輝も、言葉に確かな手応えをにじませた。

 続く第3打席でも左腕ターリーから右方向へ。結果的には右飛に終わったが、角度さえつけば…と期待を抱かせる打球だった。復帰2戦で計8打数1安打ながら、岡田監督からも「別に悪ないやんか」と及第点を受けた。そろそろ爆発の時を迎えてもいい頃だ。

 7日からは本拠地・甲子園へ戦場を移す。ヤクルト、DeNA、中日と戦う球宴前最後の3カード9試合。11日の倉敷開催のDeNA戦を除く8試合は、しっかり甲子園に腰を据えて戦える。チームはビジターでは目下6カード連続勝ち越しなしで、ここまで18勝19敗1分け。一方で甲子園では21勝12敗2分け、勝率・636を誇る。そして佐藤輝も9本塁打のうち6発を放つなど打撃3部門全てで甲子園32試合の成績がその他34試合を上回っており、好相性が“追い風”となる。

 月間19勝の5月、月間借金6の6月を経て再進撃の7月にしたいところだが、現状2勝2敗1分け。6月4日を最後に1カ月以上、連勝からも遠ざかる。だが今月は残り17試合のうち球宴明けのヤクルト2連戦(神宮)を除く15試合がホーム開催。甲子園にこだまする大声援を背に、再浮上を図る絶好機だ。

 佐藤輝は1軍に再合流した5日、「やることは一緒」と言葉に力を込めていた。不動のリードオフマン・近本の離脱で揺れる虎において、平常心を貫いて臨んだ2試合で、再発進の一打も出た。きょうは七夕。全国の虎党が短冊にしたためるであろう願いは「18年ぶりの歓喜」ただ一つ――。2位DeNAと1・5差と奪冠への正念場。猛虎を救う一撃を放つのは、佐藤輝をおいて他にいない。(八木 勇磨)

【データ】
 ○…今季の佐藤輝(神)は、甲子園の32試合で6本塁打、その他の球場では34試合で3本塁打と、本拠地での一発が多い。過去2年は21年が甲子園55試合で8本、他球場71試合で16本、22年が甲子園63試合で5本、他球場80試合で15本と他球場の方が多かった。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年7月7日のニュース