DeNA・バウアー 中4日で自身最多128球完投勝利!続投志願で自身5連勝となる6勝目

[ 2023年7月7日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA3―2ヤクルト ( 2023年7月6日    横浜 )

<D・ヤ>6回、オスナを三振に仕留めガッツポーズのバウアー(撮影・島崎忠彦)
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 DeNAのトレバー・バウアー投手(32)が6日、ヤクルト打線を4安打2失点に抑え今季2度目の完投勝利を飾った。中4日の登板で、メジャー時代を含めてプロ最多の128球の熱投。シーズン2度の中4日以内での完投勝利は、三浦大輔監督が現役時代の00年以来23年ぶりとなった。自身5連勝となる6勝目で、チームの連敗を2で止めた。

 観衆3万1938人のボルテージが最高潮に達したのは、8回の打席にバウアーが向かったときだ。「凄い雰囲気を感じた。素晴らしい歓声だった。連敗を止めないといけないとも思っていたし、(9回も)まだまだ行けると言ったんだ」。8回終了時ですでに来日最多の118球も、続投を志願。「バウアーコール」が響く中で、9回のマウンドに立った。

 大リーグ時代を含めてプロ最多となる128球を投げ切り、4安打2失点で完投。しかも中4日での登板だった。ヤクルト戦は来日初登板。対戦を熱望した「村神様」こと村上は4打数無安打に斬った。6回は131キロで空振り三振、3―2の8回2死一塁は132キロで見逃し三振と、ナックルカーブで連続三振。最速157キロの直球は終盤も球威が衰えず、要所で変化球が決まる真骨頂の投球だった。

 表情をめまぐるしく変え、高校球児のように必死にプレーした。薄暮だった0―0の2回。4番・村上の右翼への高いフライを右翼手・楠本が見失い、中堅から懸命に走った桑原が何とかランニングキャッチ。バウアーは固まったまま右翼方向を凝視した。1日の中日戦では味方の挟殺プレーでの拙守に怒りをあらわにして、何度も絶叫。この日も怒り爆発かと思ったが、投球同様に我慢が利いた。打線が相手の失策などで逆転に成功した直後の6回無死一塁からは、サンタナ、村上、オスナのクリーンアップを3者連続空振り三振。この日初めて気迫の絶叫を見せた。

 自身5連勝で6勝目。お立ち台では「ユメカナウマデ チョウセン(夢、かなうまで挑戦)!」と笑顔で叫んだ。「チームメートに教わった」という言葉は宇和島東、済美(ともに愛媛)で指揮を執った高校野球の名将・上甲正典さんが愛した言葉だった。きょう7日には、横浜スタジアムで神奈川大会の開会式。「コウシエンか?日本で一番のスポーツイベントだろ?」と深く興味を持つ高校野球の季節に、球児のような熱投と褒められると「光栄だね」と笑った。

 「集中していた。表情を見ても疲労感がなかった。バウアーが今日の投球で与えたものは大きかった」と三浦監督。敗れた首位阪神とのゲーム差を1・5に縮めた。「投げるなら150球でもいけるよ。次は中3日でもいける」。目は本気だった。(大木 穂高)

 ▽バウアーの大リーグ時代の最多投球数 127球で過去に2度あった。いずれもインディアンス時代で、18年5月27日のアストロズ戦で7回1/3を4失点13奪三振(勝敗つかず)、19年6月26日のロイヤルズ戦は6回2/3を1失点12奪三振で勝利投手となった。

 ≪00年番長以来23年ぶり中4日以内で2度目完投≫バウアー(D)が6月14日の日本ハム戦以来、来日2度目の完投勝利で5連勝。チーム外国人でシーズン2度以上の完投勝利は、横浜時代の03年にドミンゴが3度(完封2度含む)して以来20年ぶりだ。また、バウアーの完投勝利はともに中4日。DeNAでシーズン2度も中4日以内の登板で完投勝利を記録したのは、横浜時代の00年に7月16日阪神戦と8月20日阪神戦(ともに中4日)でマークした三浦大輔以来23年ぶりとなった。

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