男前ピッチだ!!ソフトバンク・板東 今季先発初勝利に藤本監督最敬礼「7回投げてくれたのが収穫」

[ 2023年7月6日 05:00 ]

パ・リーグ   ソフトバンク5ー1日本ハム ( 2023年7月5日    ペイペイD )

<ソ・日>中村晃と勝利のタッチをする板東(撮影・中村 達也)

 ペイペイドームのお立ち台で男前が輝いた。ソフトバンクは5日、日本ハムと対戦し、先発の板東湧梧投手(27)が、7回1失点の好投を見せ、今季先発では初勝利、中継ぎ含め3勝目を挙げた。開幕直前にローテ争いに敗れ、中継ぎでの起用となっていたが、先発陣の相次ぐ離脱、不調により6月15日から先発に。今季3度目の起用で結果を残した。オリックスが敗れ、1日で首位に返り咲いた。

 7回を投げ終えて99球。球数を知らずにベンチに戻ると藤本監督から、とっさに「もう十分やろ?」と問われ、板東は思わず「はい」と即答してしまった。内容には納得も、実は余力も残っていた。

 「先発で勝てたことに意味がある。うれしいしほっとしてます。打たれても単打、シングルはOKと粘れたことで自信になりました」

 今季3度目の先発で最長7回を5安打1失点。5回以降は完全で終えた。序盤に打線が大量5得点をプレゼント。3回2死一、二塁で松本剛にフォークを中前打で1点を返されただけ。4回2死一、三塁で伏見をツーシームで右飛に斬った。今季最多7三振。女房役の甲斐と事前に話し合ったカーブが切れた。

 先発での勝利は完封勝ちした昨年9月24日ロッテ戦以来となった。今季の開幕ローテーション入りをかけて肉体改造に着手。ウエートと食トレで10キロ以上増量し、人生最高体重となる86キロまで増やし球威を求めた。オフから準備したが、春季キャンプから最後の6枠目を懸けた高橋礼との争いに敗れ、中継ぎで出番を待った。

 「中継ぎも入り込む隙がないんです。出番が来たら常にアピールしていかないと」

 開幕から19試合に中継ぎ登板。信頼を得て6月15日のヤクルト戦で今季初先発のチャンスをもらうも、走者が出てからの投球に苦戦。先発2戦はともに5回を投げ切れず1敗。前回25日オリックス戦から、この日は中9日の登板。心身から修正した。「気持ちで攻めようと。技術に関しても進歩しているかな」。白星とともに感触も増した。

 板東の好投で、チームは理想とする先行逃げ切りパターンで快勝。この日、オリックスが敗れたため首位に再浮上。藤本監督も最敬礼だ。

 「板東が7回投げてくれたのが収穫でしょう。きょうは、安心して見られたね。次回、1週間後にまたあるでしょう」

 この日、和田が左前腕の張りのため抹消された。その和田が先発予定だった12日西武戦(北九州)で、自主トレをともにする弟子の板東が先発2勝目を狙う。真夏を前に涼しい流し目の救世主が、仕事をした。まさに好材料だ。(井上 満夫)

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