開幕から1カ月半 選手会・森忠仁事務局長が語る現役ドラフトの意義「選手にチャンスが与えられた」

[ 2023年5月23日 06:00 ]

取材に応じる日本プロ野球選手会・森事務局長
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 昨年12月、出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるための現役ドラフトが、初開催された。開幕から1カ月半以上がたち、環境を変えたことで新天地で期待以上の活躍を見せる選手たちがいる。リーグトップの5勝を挙げ、防御率0・48の阪神・大竹耕太郎投手(27)を筆頭に、多くが1軍でプレーしている。

 現役ドラフトを実現させた日本プロ野球選手会の森忠仁事務局長は「移籍した選手がチャンスをもらえているところが一番大きい。選手にチャンスが与えられた」と成果を口にした。NPBと18年からの協議の末、昨年12月の初開催にたどり着いた。当時、移籍選手が活躍してこそ成功であると強調していた。

 阪神から西武へ移った陽川は、19日のソフトバンク戦で移籍初打席で本塁打した。中日・細川は4月23日から3番に定着。大器と期待されたDeNA時代は6年間で通算41安打だったが、今季既に42安打と2カ月足らずの間に上回った。広島の戸根は貴重な救援左腕として13試合に登板し、1勝3ホールドで防御率3・27。現在は2軍再調整中だが、巨人・オコエは4年ぶりの開幕スタメンをつかみ、4月11日の阪神戦では5年ぶり3安打でお立ち台に上がった。

 選手として阪神に6年間在籍した森事務局長は「同じチームで長くやっていると慣れてしまう。水を変える、環境を変えることで目標、やる気が変わる」と意義を語った。指導者との個人的な相性もあり、新しい指導方針の下では飛躍的に成績が向上する可能性も言及。「くすぶっている選手はオフに環境を変えてあげることが必要」とした。選手からも同制度を歓迎する声が上がっているという。

 手探りの中の第1回開催となり、開催時期や運営方法など検討課題は多い。今回は指名対象選手のリストを各球団が提出したが「当初は在籍年数と登録日数で自動的にリストアップできるようにという意見があった。より多くの選手がチャンスをもらえる制度をつくっていきたい」と見据えた。(神田 佑)

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