チェコ監督「日本へ感謝の気持ち」日の丸必勝鉢巻で会見「3年後に戻ってくることを夢見て」1勝3敗で幕

[ 2023年3月13日 16:38 ]

WBC1次ラウンドB組   オーストラリア8-3チェコ ( 2023年3月13日    東京D )

オーストラリア戦後、必勝と書いた日の丸のハチマキを巻いて会見に臨むチェコのパベル・ハジム監督
Photo By スポニチ

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドB組、オーストラリア-チェコが13日、東京ドームで行われた。6回まで1―1としびれる展開が続いたが、チェコは7回に2点、8回に3点、9回に2点を奪われ敗戦。1勝3敗で1次ラウンドでの敗退が決まった。この結果、オーストラリアが出場5大会目で初めての準々決勝進出を決め、ナイターでの中国戦を残している韓国は3大会連続の1次ラウンド敗退が決まった。15日に行われる準々決勝(午後7時、東京D)ではA組1位のキューバとオーストラリアが対戦する。

 諦めなかった。5点差を追う9回も1死満塁と驚異の粘りを見せた。奇跡の2勝目は届かなかったが、予想をはるかに超える高いレベルの野球と、ひたむきにプレーを楽しむチェコナインの姿に東京ドームからは大きな拍手が送られた。そしてナインもスタンドに向けて笑顔で手を振った。

 チームは大学生や、仕事と掛け持つ選手が大半ながらもWBCに初出場。初勝利も挙げるなどチェコ野球の歴史に名を刻んだ。試合後に「必勝」と書かれた日の丸のハチマキを巻いて会見に臨んだパベル・ハジム監督は「本当に負けた後に監督が気分が良いということはありません。しかし、選手のみんなは本当に一生懸命やりました。トップ10のチームと戦って安打数も8本で同じですし、彼らのことを誇りに思っています。6回までは互角に戦っていました。これは本当に信じられないことです」と最後まで諦めない姿勢を見せたナインを称えた。

 日本ナインや日本の野球ファンとの心温まる交流が話題にもなった今大会。「頭に巻いている鉢巻は、これは日本が私たちに対してどれだけ親切にしてくれたか、どれだけ素晴らしい支援をしてくださったかに対しての私の感謝の気持ちです。また3年後に日本に戻ってこられることを夢見ています」と柔らかな笑顔で感謝の言葉と3年後への意気込みを語った。

 最後に「野球は戦争でなく、ビジネスでもなく、紳士のスポーツ。佐々木朗希さんの温かい心遣い(死球のお詫びに袋いっぱいのお菓子を私に宿泊先のホテルへ)に、私たちは凄いエネルギーをもらいました。日本全体にありがとうと言いたいです。アリガトー。サンキューベリーマッチ」と話し会見場を後にした。

 プロリーグのない自国では初めてのテレビ野球中継が放送された。伝統的に人気と実力があるサッカーやアイスホッケーを追いかけて――。ハジム監督は、チェコ野球の歴史に新たな1ページを記したナインとともに、さらにたくましくなって、そして侍を倒しに3年後に戻ってくる。

続きを表示

この記事のフォト

2023年3月13日のニュース