大阪桐蔭、5点差逆転で史上初の連覇! エース前田“天の恵み”で中2日志願リリーフ4回零封

[ 2022年11月25日 06:00 ]

明治神宮野球大会 高校の部 決勝   大阪桐蔭6―5広陵 ( 2022年11月24日    神宮 )

<広陵・大阪桐蔭>優勝し歓喜の前田(中央左)ら大阪桐蔭ナイン
Photo By スポニチ

 高校の部は大阪桐蔭が大会史上初めて前年決勝と同じ対戦だった広陵に競り勝ち、史上初の連覇で2度目の優勝を達成した。エースで主将の前田悠伍投手(2年)が志願で6回から救援して4回零封。来春選抜大会(来年3月18日から14日間、甲子園)の神宮枠を獲得し、近畿7枠とした。大学の部では明大が国学院大を破り、6年ぶり7度目の優勝を飾った。

 天が与えたマウンドは、世代No・1投手の証明だった。前田は勝ち越した直後の6回から登場し、毎回走者を背負っても本塁を踏ませない。高校生活で2度しかないチャンスで2度とも“優勝投手”に輝いた。

 「夏の甲子園で悔しい負け方をして、その経験があったからこそ(準決勝の)仙台育英戦、今日のゲームで冷静に投げられた。それが少しずつ生きていると思います」

 21日の準決勝では野球人生最多の161球を投げ抜き、当初23日の予定だった決勝が雨天順延になったことが幸いした。西谷浩一監督は仮に中1日なら「100%投げさせていない」と明言。中2日が空いたことで救援待機し、0―5の5回には指示がある前に「自分が投げて流れを変えたい」とブルペンへ。「“投げさせろ”的な顔で見ていた」(西谷監督)という志願だった。

 5点差を追いついてリードを奪った後の4イニングを零封。「流れを完璧に持ってこようと」。毎回7奪三振のうち5つが見逃し。制球重視で立ちはだかり、歓喜の瞬間を迎えた。

 旧チームで成しえなかった夢の高校4冠獲得へ再度、挑戦権を得た。「ここで満足していたらダメ。選抜でもう一度日本一を獲れるように、この冬は一人一人が意識高くチームとしてもレベルアップしていかないといけない」。視線はすでに来春選抜へ向かう。また一つ偉業を達成し、来年も高校球界を席巻する予感が漂ってきた。(北野 将市)

 ○…打線は0―5の劣勢をはね返した。5回先頭で6番・長沢元(2年)の飛球を左翼手が見失い(記録は三塁打)、次打者の犠飛で1点。1死一、二塁から3連打と押し出し四球で追いつき、6回2死三塁から2番・山田太成(2年)の投前内野安打で決勝点を奪った。サッカーW杯の日本―ドイツ戦を視聴した西谷浩一監督は「(日本は)後半からの選手が活躍した。ベンチがいい準備をしてくれ」と選手を送り出し、ベンチ入り18人のうち15人を起用して逆転勝ちにつなげた。

続きを表示

2022年11月25日のニュース