阪神・糸井 凡ミスから三重殺くらったが3打数3安打で雪辱 65年ぶり珍事呼んだ

[ 2022年4月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-1中日 ( 2022年4月27日    甲子園 )

<神・中>2勝目を挙げた西勇(右)の頭を両手でつかむ糸井(撮影・北條 貴史)
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 阪神・糸井は再び集中力を高めて粘った。6回1死。4球目で追い込まれてから、ファウル3球を重ねた。8球目を見極めてフルカウント。藤嶋の9球目を中前へ打ち返した。悔しい失敗を取り返そうと必死だった。

 「そうやね。あれは本当に恥ずかしいプレー。あってはならないプレーやと思うんで。そういうところに流れがあるんで…」

 矢野監督が厳しい表情で振り返ったのは4回の攻撃だ。連打で無死一、二塁。二塁走者が糸井だった。中日を突き放すはずの絶好機は、まさかの三重殺でつぶれた。

 高山の痛烈な一直はビシエドに好捕され、すぐさま一塁ベースを踏まれ、2死を取られた。ここまでは仕方ない。糸井はアウトカウントを間違えてベンチに戻ろうとしたのか、帰塁が遅れた。

 ビシエドは間を置いて周囲から促されるように二塁ベースカバーの京田に転送。慌てて戻っても間に合わず、リクエストによるリプレー検証でも判定は覆らなかった。好守に阻まれたものでも、不運なものでもない。勝ち運に見放されかねない三重殺。阪神が喫するのは23年ぶり11度目で、57年以来65年ぶり3度目の勝利が救いだった。

 もちろん、貢献もあった。1点を追う2回1死。勝野の内角直球を引っ張り込み、ビシエドのグラブを痛烈に弾いて右翼線に転がる二塁打で突破口を開いた。2死二塁から敵失で同点の生還。問題の4回も先頭でスライダーを捉えた一打が阿部のグラブをかすめて右前へ。当初失策の記録が試合中に安打に訂正。結果的に17日の巨人戦以来、3度目の3安打が付いた。

 経験豊富な19年目40歳。「恥ずかしい」と叱責(しっせき)された凡ミスも、逆襲への糧に変えれば、意味がある。(石崎 祥平)

 【データ】阪神は4回無死一、二塁から高山の一直で飛び出した2走者もアウトになるトリプルプレー。阪神が三重殺を喫するのは、99年5月27日中日戦(富山市民)の新庄剛志以来23年ぶり11度目。新庄は初回無死一、二塁から三ゴロを放ち、ゴメス→二塁・立浪→一塁・山崎へ転送される三重殺打だった。

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