松坂大輔氏 興奮の初視察 ロッテ・朗希 ダル、大谷の系譜

[ 2022年2月11日 05:30 ]

記念写真に納まる松坂大輔氏(左)と佐々木朗(撮影・長久保 豊)
Photo By スポニチ

 【平成の怪物が行く 松坂大輔の探球】昨年限りで現役を引退した松坂大輔氏(41=本紙評論家)が10日、沖縄・石垣島のロッテキャンプを訪問。佐々木朗希投手(20)のブルペン投球に熱い視線を送り、特に直球の制球力を高く評価し「想像以上。ビックリした」と驚きを隠さなかった。「平成の怪物」が見た「令和の怪物」の凄さとは――。さらに、佐々木朗が球界を代表するスーパーエースになることを願った。

 想像以上でした。初めて佐々木投手の投球をじっくり見ましたが、本当に素晴らしいボールでした。何より驚いたのが直球の制球力。捕手を座らせてからの初球、スタッフに右打席に入ってもらって投げた初球のインコース。全体的に低めに集められる直球の精度の高さに佐々木投手の凄さを感じましたが、特に変化球の後に投げる直球には驚きました。

 変化球がばらついたあとの直球は、コースが甘くなりがちですが、佐々木投手はスライダーやフォークがどんなにばらついても、その後に投げる直球は高さ、コース、ほぼ完璧でした。変化球から直球へのスイッチの切り替えは抜群にうまい。単に制球がいいというレベルではなく、相当高い技術を持っていると思いました。

 これはダルビッシュ有投手(パドレス)、大谷翔平投手(エンゼルス)に続く系譜だと思うのですが、長い手足を効率良く、コンパクトに扱っている。手先ではなく、体全体で投げる感覚をつかんでいますね。「素晴らしいな…」と思ったのは、力を入れれば160キロを投げられる佐々木投手が140キロぐらいの力感で160キロ近いボールを投げられているところです。あの感じで投げられると、打者はより手元でボールが速く感じるでしょうし、実際に振り遅れることが多くなるのではないでしょうか。

 リリースの時に顔もぶれないですし、あのボールは打者からはどう見えるのか。機会があれば捕手の後ろから見てみたいと思いました。身長の高さ、球の伸び、制球力の高さ、フォークが得意な点など岩隈久志投手をイメージしました。変化球の精度、特に直球の後の変化球やフィールディングなど、今は相手が付け入る隙がわずかながらあるかもしれませんが、それも今はキャンプ中盤の話で、開幕に向けてしっかり改善させて、すぐに手のつけられない存在になってくるのではと思っています。 (本紙評論家)

続きを表示

この記事のフォト

2022年2月11日のニュース