センバツでの号泣から主将就任、関東王者へ 専大松戸・吉岡道泰の濃すぎる2カ月

[ 2021年5月23日 19:49 ]

春季高校野球関東大会 決勝   専大松戸7―6関東第一 ( 山日YBS球場 )

新主将としてチームを関東大会優勝に導いた吉岡(撮影・柳内 遼平)
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 春季高校野球関東大会の決勝が23日、山梨県の山日YBS球場で行われ、専大松戸(千葉2位)が関東第一(東京2位)に7―6で競り勝ち、初優勝を成し遂げた。

 吉岡道泰主将(3年)は「2番・左翼」で先発出場。4打数無安打だったが、初回は先制点につながる犠打で勝利に貢献。試合後、晴れやかな表情で語った。

 「関東大会は優勝を目指してやったきた。本当にうれしい。(ベンチ入りの)18人全員で戦えたことがチームとして良かった」
 激動の2カ月だった。プロ注目の外野手として挑んだ今春のセンバツ大会は1回戦で中京大中京・畔柳亨丞(3年)に12三振を奪われて完封負け。0―0で迎えた7回2死二塁から左翼へ決勝のランニング本塁打を許した。勝負を決した打球にダイビングキャッチを試みたが、一歩届かず、試合後に大粒の涙を流したのが吉岡だった。畔柳の剛球に無安打で「ストレートは人が投げるような球ではなかった」と脱帽した。

 センバツ後、持丸修一監督は決断を下した。主将を石井詠己(3年)から吉岡に変更。。1番打者と内野の要である遊撃を務める石井の負担軽減と吉岡の奮起を促すことが指揮官の狙いだった。

 打順も不動の4番から2番になり、送りバントや進塁打など献身的なプレーが目立つようになり、つなぐ打線の象徴になった。
 
 新主将として最高のスタートを切ったが、油断はない。

 「関東大会優勝は肩書きにすぎない。なんで優勝できたのかを材料にして練習に取り組みたい。甲子園に行って、勝って借りを返すことが目標です」

 1人の優秀なプレーヤーから頼れるキャプテンに成長。負けをきっかけに変革をもたらす持丸監督の手腕が光った。(柳内 遼平)

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2021年5月23日のニュース