大谷と花巻東同期左腕・小原 四国IL徳島入団!コロナ禍でメジャー断念、今秋NPB入りへ「今年が勝負」

[ 2020年6月14日 05:40 ]

徳島のユニホームでマウンドから投球する小原(徳島インディゴソックス提供)
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 エンゼルス・大谷翔平投手(25)と花巻東時代に同学年でチームメートだった小原大樹投手(25)が、四国アイランドリーグplusの徳島に入団した。小原は13日、本紙の単独取材に応じ、今秋ドラフトでNPB入りを目指す決意を語った。今年2月、メジャー3球団の入団テストを受けたが不合格。6月20日に新天地で開幕するシーズンを、野球人生最後の挑戦と位置づけた。

 米球界挑戦の夢がついえても、決して諦めない。7年連続でNPBに選手を輩出している徳島への入団が決まった。本紙の取材に応じた小原は「2週間ほど前から合流し、一人暮らしで自炊生活を送っています。6月20日の開幕へ向けて準備を進めている段階です」と近況を語った。

 花巻東時代は大谷に次ぐ2番手。卒業後は慶大を経て日本製紙石巻へ進み、昨年末で退社した。ダイヤモンドバックスなど3球団のテストを受けたが、不合格。その後は米独立リーグも視野に入れつつ、メジャー球団のテストを受験予定だったが、コロナ禍で破談になり、3月下旬に帰国を余儀なくされた。

 徳島への練習合流後は現役時代にロッテ、阪神で投手だった吉田篤史監督からの助言もありトルネード気味のフォームに改良。最速145キロの直球の威力は保ちつつ「角度がつき、リリースも隠せる。スライダーの曲がりも大きくなった」と手応え十分。NPBへのアピールに向け、昨年独立リーグ日本一の強豪で救援を任されることが決まった。

 大谷や、花巻東の3学年先輩でアリゾナ自主トレをともにしたマリナーズ・菊池にも入団を報告。菊池からは「米国で感じたことをどう野球人生に還元できるか。誰にどう思われるかは関係なく、小原の本気度が大事」とエールを送られた。

 小原は「僕の中では今年が勝負。(野球)人生最後の覚悟でやりたい」と、今季に懸ける思いを語った。目指すゴールは今秋ドラフトでのNPB入りのみ。新たな夢実現のため、多くの経験が詰まった左腕を振る。(柳原 直之)

 ≪夏甲子園で先発し大谷へ継投≫小原は花巻東時代、2年夏の甲子園は背番号14、3年春のセンバツは背番号12でベンチ入り。2年夏の初戦、帝京戦では先発し4回途中5失点で、大谷が救援したが7―8で敗れた。慶大では主に救援を務め、東京六大学リーグ通算24試合に登板して2勝。日本製紙石巻では1年目の17年に都市対抗野球と日本選手権に出場も登板なしに終わった。

 ▽徳島インディゴソックス 05年に創設され、四国アイランドリーグplusに所属。本拠地は徳島県徳島市。19年は独立リーググランドチャンピオンシップでBC栃木を3勝2敗で破り、独立リーグ日本一に輝いた。7年連続でNPBに選手を輩出しており、19年には上間がドラフト7位、岸が同8位でともに西武に、平間が育成1位で巨人に入団した。今年は最速148キロ右腕の戸田懐生(なつき)がドラフト候補の一人。

 ◆小原 大樹(おばら・だいき)1994年(平6)9月9日生まれ、岩手県滝沢市出身の25歳。花巻東では甲子園に2度出場。慶大、日本製紙石巻を経て今年、米球界に挑戦した。球種は直球、カットボール、スライダー、チェンジアップ、シュート。1メートル81、85キロ。左投げ左打ち。目標の選手は日本ハム・宮西、楽天・高梨。

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