3年目・陽川アピール弾 1軍踏みとどまった!手応え3発目

[ 2016年2月28日 08:00 ]

<阪神・サムスン>2回2死一塁、陽川は中越えに先制2ランを放つ

練習試合 阪神2―0韓国・サムスン

(2月27日 宜野座)
 ここで競争から脱落するわけにはいかない。阪神・陽川が2回に先制2ランを放ち、1軍当落線上に踏みとどまった。

 「正直、結果が出ていなかったので1打席1打席が勝負。何とかヒットでもと思っていたところで、結果が出て良かったです」

 待望の一発は2回、2死一塁から生まれた。「追い込まれる前から仕掛けていきたいと思っていた」。初球ファウルの後の2球目。1ストライクから127キロ外角スライダーを強振した打球は、左翼から右翼方向へ吹く風を切り裂いて、宜野座の空に舞い上がり、バックスクリーンに着弾した。

 “崖っぷち”にいるのは自身が1番感じていた。25日の日本ハムとの練習試合では3打数無安打で途中交代。この日の打順は前回の6番から2つ下がって「8番・三塁」。絶対にアピールが必要なところで意地を見せた。

 今キャンプの実戦3本目となる2ランは自信を深める一発になった。打った相手の張ウォンサムは韓国のリーグで昨季10勝をマークするなど4年連続2桁勝利を挙げている左腕。12年には17勝で最多勝のタイトルも獲得しており、09年、13年のWBCにも同国代表として出場した実力者だ。

 自慢のフルスイングで韓国屈指の投手を攻略。それでも、満足感はない。「全然ホッとするところでもないので、結果を考えて1日1日大事にしていきたい」と気合を入れ直した。試合後の個別練習では特打で汗を流し、134スイング中17本の柵越え。指揮官や片岡打撃コーチからタイミングの取り方などの指導を受け、修正を加えた。

 金本監督も手綱を緩めることはない。「崖っぷちやから。陽川も。ベンチで“崖っぷち、崖っぷち”とか言っているからね。崖っぷちから一歩、前に来たけどね」。

 ファンも首脳陣も待ち望む右の長距離砲。プロ3年目は初の1軍を目指してバットを振り続ける。(久林 幸平)

 ◆陽川 尚将(ようかわ・なおまさ)1991年(平3)7月17日、大阪府生まれの24歳。金光大阪では1年夏、3年春に甲子園出場。09年育成ドラフトで巨人から3位で指名されるが、東農大に進学。4年春に打率・450で東都2部リーグの首位打者に輝いた。13年ドラフト3位で阪神入団。昨季は2軍で54試合に出場し、打率・213、3本塁打、16打点。1メートル80、85キロ。右投げ右打ち。

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