阿部も盗塁ある?由伸監督 来季は機動破壊「どんどん走らせたい」

[ 2015年11月29日 08:30 ]

由伸杯で優勝した大森シャークスナインと笑顔で記念撮影に応じる高橋監督。前列中央は巨人初代主将・二出川延明さんのひ孫・二出川翼くん

 とにかく走れ!巨人・高橋監督が、過去5シーズンで4度リーグ最多盗塁を記録しているチームの、さらなる機動力強化を求めた。千葉市内で行われた少年野球大会「第8回 高橋由伸杯」の閉会式に出席後、就任1年目の戦い方について触れ「走れる選手の数はいますから、そういう選手たちには頑張ってほしい」と訴えた。

 チームの最重要課題は得点力アップ。宮崎秋季キャンプでもバットを振り込ませた。しかし「打線が今年より打ったとしても、当然打てない日もあると思う」と話し、原前監督の下で培った「1点を奪う野球」を継承し高めていく考え。今季はリーグ最多99盗塁ながら、シーズン途中から1番に定着し16盗塁を決めた立岡をはじめ、まだ伸びしろがある。「立岡に限らず勇人も長野も片岡も、走れる選手はまだほかにもたくさんいる。どんどん走らせたいと思っています」と高橋監督流の「機動破壊」を提唱した。

 閉会式の前に観戦した「由伸杯」決勝戦では、予選を含め74チームの頂点に立った「磯辺シャークス」が6イニングで10盗塁を記録した。先発の北田大輔投手(6年)も1メートル56、68キロの体を揺らしながら二盗、三盗に成功。チームで最も足が遅い同投手にも盗塁のサインが出ていた。高橋監督は「動けていましたね」と感心し「相手の意表を突いたりとか、そういうのも大事になってくる」と続けた。巨人でいえば、今季盗塁ゼロの阿部が走れば相手球団の意表を突く。

 閉会式では「両チームともレベルが高く、指導者の方の指導力の高さと思って見ていた。来シーズン、僕も指導者になります。いい刺激になりました」とあいさつ。走塁の重要性をかみしめ、来季へ決意を新たにした。 (大林 幹雄)

 ≪今季盗塁数はリーグ1位≫今季巨人のチーム盗塁数は99。中日の88盗塁を抑えリーグ1位と機動力を発揮した。最近5年間の盗塁数リーグ順位も1、1、2、1、1位と4シーズンがトップと決して走らないチームではない。ただし、個人別の内訳を見ると、チーム最多の21盗塁を記録した片岡は32歳。他に37歳の鈴木が10盗塁と30歳以上の選手で計59盗塁。30歳未満は40盗塁と少なく、今季ブレークした立岡(25歳)の16盗塁が目立つ程度だった。パでリーグ最多の134盗塁を記録した日本ハムは、盗塁王の中島(34盗塁=24歳)をはじめ30歳未満で93%に当たる124盗塁をマーク。巨人は若手の走力アップが課題になる。

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