イチ、敬意の王超え!日米通算1968得点「ただただ光栄です」

[ 2015年4月27日 05:30 ]

<マーリンズ・ナショナルズ>ファンのスタンディングオベーションに帽子を取って応えるイチロー

ナ・リーグ マーリンズ8―0ナショナルズ

(4月25日 マイアミ)
 マーリンズのイチロー外野手(41)は25日(日本時間26日)、ナショナルズ戦に「7番・左翼」で5試合連続先発出場し、2安打1得点を挙げた。日米通算1968得点(日658、米1310)とし、前日に並んだソフトバンク・王貞治球団会長(74)のプロ野球記録を1日で抜き去った。プロ24年、3173試合目にして打ち立てた新たな金字塔。日本記録でありながら、場内のスクリーンに記録達成が表示されると大歓声を受け、数々の記録を残してきたレジェンドも感慨を隠さなかった。

 1968回目のホームインはイチローらしくなく、実にゆったりとしたものだった。8回2死一塁から右前打で出塁し、続くエチャバリアの3ランで淡々とリードを広げる本塁を踏んだ。そして9回、左翼の守備へ向かうと中堅の大型スクリーンに「日本記録達成」の表示が。本拠地のファンはスタンディングオベーションで迎え、右翼の主砲スタントンが帽子をかざして敬意を示した。サプライズ演出に目頭が熱くなり、節目がちに帽子を掲げ応えた。

 「記録(達成)の時って、自分の気持ちというよりも、人の気持ちの温かさみたいなものが、何よりうれしいですよね。きょうのもびっくりしましたけど、僕の中で心に刻まれる瞬間ではありますね。確実に」

 得点記録で王貞治氏を抜き去ったが、イチロー自身に世界の王を超えたという思いはない。「試合数が違うので、そんな比較はできないと思います。他の人の記録に全然興味はないですけれど、王監督の記録はどの記録も特別なものなので、ただただ光栄ですけどね」と謙虚に喜びを口にした。自身より300試合以上少ない2831試合で、868本塁打を放った世界のホームラン王とは道のりが違う。記録に並んだ前日は報道陣には対応せずに球場を後にしたが、そもそも得点記録の話自体、前日の試合後に初めて知ったという。

 主に1番打者を担い、日米通算4134本の安打で出塁し、突破口を切り開いてきた。塁上では「足」をちらつかせバッテリーに重圧をかけ、常に本塁を目指した。「人に還してもらう記録なんでね。きょうだって僕、(一塁に)立っていただけですから。王監督は自分でそれを…。そう考えたら比較にならないと思いますよ」。メジャーでプレーし、王氏の名前が米球界に深く浸透していることを痛感してきただけに、殊勝なスタンスを崩さなかった。

 次は米球界で7人しかいない日米通算2000得点の節目が迫る。そして、ピート・ローズ氏の世界記録4256安打には、この日の2安打であと122本とした。「世界のホームラン王」を超え、「世界のヒットマン」戴冠へ。次なる金字塔へとイチローは向かう。

 ▼マ軍マイク・レドモンド監督 彼のキャリアは信じられないものばかり。一緒に戦うようになって毎日が楽しい。クラブハウスでもくつろぎ、冗談を言い合いみんなと和んでいる。彼自身が活気に満ちあふれ、周りにも良い影響を与えている。

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