大谷開幕5戦5勝!栗山監督誕生日飾った!27イニング0行進

[ 2015年4月27日 07:23 ]

<日・オ>5回2死一塁、投球中に右ふくらはぎをつる大谷

パ・リーグ 日本ハム3―1オリックス

(4月26日 札幌D)
 無傷ではないけど、無傷の5連勝。日本ハムの大谷翔平投手(20)が26日、オリックス戦に先発し、5回2安打無失点で両リーグ単独トップとなる5勝目を挙げた。5回に右ふくらはぎをつったが、勝利投手の権利を得て降板。栗山英樹監督の54歳の誕生日に白星を贈った。連続イニング無失点を27に更新し、開幕から5戦5勝は球団では1989年の西崎幸広以来26年ぶり3人目。初の個人タイトルとなる3・4月度の月間MVPを確実にした。

 意地だった。3―0の5回。大谷は右ふくらはぎをつったが、2死一塁までこぎつけた。勝利投手の権利まであと1人。2ボール1ストライクになった後、治療のためベンチに下がった。

 「まだいけると思った」。首脳陣に続投志願。直後に駿太にセーフティーバントを仕掛けられた。「絶対に(バントが)来ると思った。助かった」。足で揺さぶる相手に耐え、最後は154キロ直球で三ゴロに仕留めた。

 「調子は今までで一番、良かった。力も抜けていたし、全体的に良かった」。自身初の開幕投手を務めた3月27日楽天戦(札幌ドーム)に続き、またも右ふくらはぎをつって5回で降板。それでも、大谷は完封した前回19日の楽天戦(コボスタ宮城)よりも手応えをつかんだ。課題の立ち上がりを克服したからだ。

 どんな投手でも投げ始めはリリースポイントが安定せず、制球が定まらないケースがある。速球派の投手ならなおさらで、大谷は過去4度の登板で全て四球を出すなど走者を許した。初回。直球で追い込み、フォークで2者連続空振り三振。糸井も154キロ直球で遊ゴロに打ち取った。今季5度目の登板で初めて初回を3人で片付けた。試合前。大谷は約60メートル離れた距離から遠投を繰り返した。「真っすぐな軌道を意識している。それが結果的にいい投球フォームにつながる」と厚沢投手コーチ。直球の軌道を確認する作業で長い距離ならシュート回転などした場合、大きくそれるためだ。不調に苦しんだ開幕前にも取り入れた遠投調整が、この日も生きた。

 力感がなく、リリースだけに力を込める理想的なフォームで最速158キロを計測。フォーク、スライダー、カーブもコーナーに決め、オリックス打線を寄せ付けなかった。「(相手が直球を)狙ってきていても、ファウルを取れた。内角に投げればバットも折れた」。凄い自信だ。わずか2安打で二塁すら踏ませない。四死球は一つもなく、自身最長の連続イニング無失点も27まで伸ばした安定した投球に、視察したマリナーズのティム・キスナー国際スカウト部長も「グレート!ダルビッシュや田中と同じレベルだ」と舌を巻いた。

 開幕から5戦5勝は球団では89年西崎以来26年ぶり3人目。両リーグ単独トップの勝ち星に加え、防御率も0・80で3・4月度の月間MVPを確実にした。今季は被本塁打もなく「一回一回進歩している。純粋に相手と勝負できている」と力強い。この日54歳の誕生日を迎えた栗山監督にも白星を贈り、お立ち台から「おめでとうございます」と祝福した。もはや無敵。唯一の敵はふくらはぎのつりだけかもしれない。 (柳原 直之)

 ≪球団3人目≫大谷(日)が5回無失点で開幕戦から5戦5勝。開幕投手の5戦5勝は04年岩隈(近鉄)が9戦9勝して以来11年ぶり。チームでは79年高橋直6戦6勝、89年西崎5戦5勝に次ぎ、3人目になった。また、連続イニング無失点は27回と自己記録を更新。球団記録は11年ダルビッシュの46回となっており、今後どこまで伸ばすか注目だ。この日は今季初めて初回を3者凡退。大谷が初回を3者凡退で切り抜けたのは、昨年9月3日楽天戦以来8試合ぶり。

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