【大谷&石井一久氏新春対談】(1)男は黙って「13勝&11本」+α

[ 2015年1月2日 12:00 ]

二刀流3年目のターゲットはルース超え。素足で石井氏(右)と餅つきを行う大谷

 二刀流3年目のターゲットは、ルース超え――。日本ハム・大谷翔平投手(20)とスポニチ本紙評論家・石井一久氏(41)の新春対談が実現。昨季、11勝&10本塁打で日本球界初の「2桁勝利&2桁本塁打」を達成した大谷は、投打ともに着実に進化していることを認め、大リーグで1918年にベーブ・ルースがマークした「13勝&11本塁打」の伝説の記録を目標に定めた。対談は将来のメジャー挑戦希望から私生活のことにも及んだ。

 石井 あけましておめでとうございます。

 大谷 おめでとうございます。

 石井 まず、2014年を振り返ってどうでしたか?

 大谷 クライマックスシリーズ(CS)に行けたのは凄く良かったですけど、最終的に勝てなかったのは悔しかったですね。

 石井 投手と打者で、昨年できたものとできなかったものを教えてもらえますか?

 大谷 2桁本塁打を打つというのは目標としていたので、打てて良かったです。あと、「13勝以上」したいと阿井ヘッドコーチと目標を立てていました。後半戦が始まってから4試合勝てずに11勝に終わりましたけど、13年に比べたらやりたいことはできました。

 石井 日本ハムも長期的な視野で、しっかり考えている。

 大谷 凄い大事に使ってもらっているなとは思います。1年目とかは実力もなかったのに、期待を込めながら使ってもらえたので、本当に感謝しています。

 石井 普通は投手なら投手、野手なら野手で2年目を迎えれば、ルーティンも確立してくるけど、大谷君は難しいよね。登板間に野手として出場するし、そのあたりは慣れましたか?

 大谷 昨年は日曜日の登板が多かったので、次の日が移動休みで飛行機で札幌に帰るパターンが多かったんです。その1日で「あしたは野手だから頑張ろう」とか切り替えていました。

 石井 ちょっと答えにくい質問かもしれないけど、ピッチャー大谷から見たバッター大谷はどんな選手?

 大谷 やっぱりどんどん打ちにいくので、どんどん決め球を投げていれば全然打てないと思います(笑い)。

 石井 でも二刀流として確実にステップを踏んでいる感じはする。1918年にベーブ・ルース(当時レッドソックス)がマークした「13勝&11本塁打」の数字はよくメディアでも言われるけど、その数字は意識する?

 大谷 昨年よりは絶対前進したいというのはありますし、もっともっとうまくなりたいなという気持ちもあります。そういう数字を超えてはいきたいなとは思います。

 石井 栗山監督も言っているけど、2つのクオリティーが高いことに意味がある。監督は将来的には「20勝&20本塁打」も可能と言っていたけど。

 大谷 まだできる実力はありませんが、そういう選手になりたいと思って練習するのはいいことなので、そういう目標は必要かと思います。

 ▽1918年のルース デビュー5年目でレッドソックスの中心投手だったルースは、前年までは投手か代打のみで野手出場はなし。この年の5月から、登板間に一塁や外野で起用されるようになった。投手としては20試合に登板し、18試合に完投するなど13勝7敗。打っては95試合の出場(登板時含む)で、自身初の2桁となる11本を放ち本塁打王を獲得した。カブスとのワールドシリーズでは先発で2勝を挙げ優勝に大きく貢献。ルースの本格的な「二刀流」は、この年と翌19年(9勝、29本)の2年間だけ。20年にヤンキースに移籍して以降はほぼ野手に専念した。

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