“若大将”坂本 侍3番任せろ!バントも「しっかり」

[ 2012年11月16日 06:00 ]

山本監督が見守る中、フリー打撃をする坂本

侍ジャパンマッチ2012 日本代表―キューバ代表

(11月16日 ヤフーD)
 侍ジャパンが、16日のキューバ戦に向けた最終調整を行った。山本浩二監督(66)から3番に指名された巨人の坂本勇人内野手(23)は、指揮官が掲げる「スモール・ベースボール」実現のためにバントも辞さない姿勢を示した。
【侍ジャパンマッチ2012 日本メンバー 侍ジャパン日程】

 来春に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)本大会でも3番を務めることが濃厚な坂本が、まずは初陣のキューバ戦で侍ジャパンを勢いづける。

 期待されている役割を理解している証だった。フリー打撃で右打ちを繰り返す。坂本は代表での初練習を終え「3日間くらい(アジア・シリーズから)空いていたけどしっかりやれた」と笑顔で汗を拭った。

 山本監督の初陣となる一戦で3番に指名された。「3番はメンバー的に見ても早くから決めていた。(07年に守備走塁コーチとして出場した)北京プレ五輪の時も勇人(坂本)の3番が一番最初に決まったんだ」と指揮官は明かす。足を絡めたスモール・ベースボールを展開する上で、重要視している打順。「3番は足もあってチャンスメークもできて、勝負強さも必要」と話し、キューバ戦では「バントだってある」と坂本に多くの役割を求める考えを示した。

 坂本も求められている仕事は分かっている。「巨人でも同じことをやってきた。作戦が出ればバントもしっかりやる」と表情を引き締めた。

 3番の重要性は過去2度のWBCで務めた打者を見ても明らかだ。第1回大会の準決勝、決勝ではイチローが、第2回大会では全試合で青木が務めた。日本が誇るヒットメーカーが任されてきたポジション。現時点でイチローの出場は微妙で、青木は既に不参加を表明している。山本監督は「球界全体を見渡しても3番の適任者は勇人だ」と話しており、坂本が本大会でも3番を任されることが濃厚だ。

 チーム最年長で中日で同番号をつける井端を差し置き、巨人と同じ背番号6をつけることになったのも周囲の期待の高さを示している。「キューバ投手の変化球は、大きな変化が多い。しっかり狙っていきたい」と対策も頭に叩き込んだ。精神的支柱となる主将の阿部が「大将」なら、坂本は若いメンバーが多いチームの「若大将」として、プレーでチームに勢いを乗せる役割が求められる。

 坂本は親交のあるサッカー日本代表の香川(マンチェスター・ユナイテッド)の名前を挙げ、こう話した。「香川は毎回代表で結果を残している。僕も日本代表に常に選ばれて活躍をしたい」。同じ23歳。キューバ戦から世界へと羽ばたくイメージはできている。

 【WBC3番アラカルト】

 ☆第1回WBC(06年) 1次、2次リーグの6試合中、5試合で福留(当時中日)が3番を務めた。3番での成績は17打数2安打の打率・118。残り1試合は多村(当時横浜)。準決勝、決勝はイチロー(当時マリナーズ)が3番に入り、準決勝の韓国戦は3安打1打点、決勝のキューバ戦では2安打1打点と活躍した。

 ☆第2回WBC(09年) 東京ラウンドから米国での2次ラウンド、米国との準決勝、韓国との決勝戦と、全9試合で青木(当時ヤクルト)が3番を務めた。キューバとの2次ラウンド敗者復活2回戦では、4安打2打点。通算でも37打数12安打の打率・324、7打点と、3番打者にふさわしい成績で連覇に貢献した。

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