キューバ選手 日本プロ球界入りも!監督が派遣容認発言

[ 2012年11月16日 06:00 ]

会見を終え報道陣に手を振るキューバ・メサ監督

 キューバ代表のビクトル・メサ監督(52)は15日、侍ジャパンマッチ前日の公式記者会見でキューバ選手を日本のプロ野球に派遣したいとの意向を明かした。海外フリーエージェント(FA)権の私見も披露するなど具体的な内容で、波紋を呼んだ。

【キューバメンバー】

 メサ監督は「近い将来、キューバ選手が海外でプレーする」と話しだした。ヤフードーム内で練習前に行われた公式記者会見。発端は国内リーグ本塁打、打点2冠のA・デスパイネに「かつてのリナレス(元中日)のように日本のプロ野球でプレーしたいと思うか?」と飛んだ質問だった。

 通訳を務めた全日本アマチュア野球連盟の柴田穣事務局次長が伝えていいものか戸惑い、日本野球機構(NPB)の担当者が止めていると、メサ監督が「何と聞いているんだ」と促し、「それには私が答えるべきだ」とマイクを取った。

 「海外でプレーさせる動きは確かにある。アメリカはキューバに経済制裁をするなど打撃を受けている。派遣するのならば日本が一番いい」

 自身も国内リーグ引退後の96年に日本の社会人野球チームのニコニコドーでプレー。シダックスに在籍した99年にはチームを日本選手権初優勝に導いた。キューバの野球選手は国家公務員。国からの派遣という形だ。

 「日本プロ野球は8年(実際は9年)で海外FA権を得る。私は7年がいいと思う。私たちの選手が7年で海外に行けるようになればいい」

 披露した私案だとA・デスパイネやグリエル、セペダら、多くの主力が対象者となる。大リーグに狙われ、亡命する選手が後を絶たない。そんな現状への警戒とけん制もあろうか。会見後は「しゃべり過ぎた」。対決前日、球趣盛り上がる衝撃発言だった。 

 ◆過去に日本でプレーしたキューバ人選手 02年に野村克也監督が率いる社会人野球のシダックスにオレステス・キンデラン、アントニオ・パチェコの2選手が加入。入団当時38歳だったキンデランだが、03年の都市対抗では4本塁打を放ち久慈賞を獲得した。ともに04年を最後に引退。パチェコは08年北京五輪のキューバ代表監督を務めた。
 その他の社会人ではニコニコドー、昭和コンクリートなどでキューバ人選手がプレーした。プロ野球では02年のシーズン途中に「キューバの至宝」とも言われたオマール・リナレスが来日。中日でプレーした。入団当時34歳で全盛期は過ぎており、04年に引退するまでの成績は132試合で打率・246、11本塁打、61打点だった。

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2012年11月16日のニュース