DバックスGM 球児エスコート!異例の交渉解禁「即日交渉」

[ 2012年11月16日 06:00 ]

 阪神からフリーエージェント(FA)宣言し、大リーグ移籍を目指す藤川球児投手(32)が、各球団との交渉が解禁された14日(日本時間15日)、ダイヤモンドバックスと接触した。アリゾナ州の本拠地チェース・フィールドでブルペンなど施設見学を行い、ケビン・タワーズGM(51)ら球団幹部とも対面。ドジャース、エンゼルスなども同投手の獲得に興味を示す中、交渉解禁日に事実上、ダ軍との「即日交渉」となった。

 他球団との交渉解禁日。藤川は代理人の団野村氏らとともにアリゾナ州にいた。獲得を検討するダ軍に、藤川サイドが本拠地を視察したいとの要望を伝えたことから、早朝からダ軍関係者と合流。キャンプ地施設を視察し、午前9時半頃に本拠地球場チェース・フィールドへ。タワーズGMの出迎えを受けた。

 同GMは、藤川との対面を「キュウジとは素晴らしいミーティングの時間を持つことができた」と満足げに振り返った。球場視察の際にはフィールド、ブルペンはもちろん、クラブハウスやトレーニング室、ビデオルームなどを入念にチェック。ダ軍関係者によれば、手厚い歓迎に藤川サイドも好印象を受けた様子だったという。

 日本のFA選手は入団に合意した後に渡米するのが主流だ。今回のような事前視察は近年では05年の城島(ソフトバンクからFA)が行ったが、交渉解禁日の11月8日には代理人がパドレスと接触しただけ。3日後の11月11日に初めてマリナーズの本拠地セーフコ・フィールドを視察した。極めて異例となる、本人との「解禁即接触」。自身の目で早く環境を見定めたいという剛球右腕の真っすぐな思いに、ダ軍が「直球勝負」で応えた。

 この日はシカゴでオーナー会議が開幕。出席したダ軍のデリック・ホール球団社長は「私も直接会いたかった。ナイスガイだと聞いている」と話した。三塁手として獲得調査を進める中島(西武からFA宣言)も含め「藤川と中島の2人を獲得したいね」と「両獲り」に意欲満々だ。藤川は今後もドジャースをはじめ、エンゼルス、レンジャーズなど、獲得に強い興味を示す球団の本拠地を視察予定だが、ダ軍の一番乗りでのラブコールは胸に響いたに違いない。

 【藤川のFAの経過】

 ▽10月29日 成田空港から極秘渡米。ロサンゼルスに滞在し、住環境のチェックを始める。

 ▽11月2日 ロサンゼルス近郊で取材に応じ「まだ阪神の選手。観光をしているだけ」。レンジャーズのジョン・ダニエルズGMは電話会見で「右のセットアッパーが必要」と語る。

 ▽同6日 ダイヤモンドバックスのケビン・タワーズGMが「気に入っている」と評価。阪神・坂井信也オーナーは「意向は理解している」と球団で初めて米挑戦を認める。

 ▽同7日 カリフォルニア州でのGM会議でドジャース、エンゼルス、レッドソックスのGMも獲得に興味を示す。藤川はメジャー挑戦を決意した声明文を発表。(日付は米国時間)

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2012年11月16日のニュース