阪神新人から2本の1年生 再度甲子園へ「4番だけどスラッガーじゃない」

[ 2011年1月26日 12:25 ]

昨夏の全国高校野球選手権1回戦、東海大相模戦で一二三(手前)から適時打を放った水城・萩谷

吉報を待つ1年生トリオ

 第83回選抜高校野球大会(3月23日から12日間、甲子園)の出場校が28日の選考委員会で決定する。昨夏1年生4番として出場した水城(茨城)の萩谷直斗外野手は再度甲子園でその勇姿が見られそうだ。。

 怖いモノ知らずだったあの夏から半年。萩谷は聖地への里帰りを今か今かと心待ちにしている。

 「前回は勢いだけでしたから。今回は本当の力が求められる。苦しんだ分、違う自分を見せたいですね」

 昨夏は1年生ながら4番を務め、茨城大会で打率・462をマーク。チームを初の甲子園に導いた。初戦で準優勝校の東海大相模に5―10で敗れたが、大会屈指の好投手、一二三(阪神)からは2安打。当時は何も考えなくても安打を打てた。

 ところが新チーム発足以降バットから快音が消えた。フリー打撃でさえバットに当たらない。チームは昨秋関東大会4強でセンバツ切符はほぼ当確。しかし自身は昨秋公式戦打率が・250に落ち込んだ。「4番だからと長打を意識していたところが、絶対にあったと思います」。中学までは1番打者で理想のタイプは青木(ヤクルト)や赤星(元阪神)。それが入学して半年もたたぬうちに甲子園で4番を張ったことで、自分を大きく見せようとしてしまった。

 そんな萩谷を楽にさせたのが、水戸商監督時代に7度甲子園に出場した名将・橋本監督。「後ろにいい打者がいるんだから、やれることをやればいいじゃないか」。打てないときは四球でもいい。塁に出られなければ守ればいい。「1年生4番」という気負いが抜けた萩谷に、次第に以前のような打球が戻ってきた。

 「夏は調子に乗ってました。4番ですけど自分はスラッガーじゃない」。もう目は覚めた。次の大舞台。野手の間を抜く鋭い打球を放つ、自らのイメージはできている。

 ◆萩谷 直斗(はぎや・なおと)1994年(平6)6月16日、茨城県生まれの16歳。川根小2年時に「東茨城リトル」で野球を始める。桜丘中では水戸シニアに所属して主に1番・中堅でプレー。水城入学後、初めて4番を経験した。家族は両親と姉、妹。1メートル71、71キロ。右投げ左打ち。

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2011年1月26日のニュース