イチロー11年連続200安打へ「挑戦」約束

[ 2010年12月24日 06:00 ]

<イチロー杯表彰式>優勝旗を贈呈するイチロー

 マリナーズのイチロー外野手(37)が23日、故郷の愛知・豊山町の豊山グラウンドで行われた「第15回イチロー杯争奪学童軟式野球大会」の閉会式に出席した。あいさつでは、体を動かすことの大切さを訴えるとともに、野球の奥深さを伝えるプレーを宣言。公約にこそしなかったが、11年連続200安打へ「挑戦」することを誓った。

 今季も200安打を達成して地元少年たちの前に戻ってきた。だが、昨年200安打を公約に掲げた言葉とはニュアンスは違った。

 「結構難しいことなんで、来年も200本ということを、ここでお約束はできませんけれども、それに向かって進んでいくことは約束したいと思います」

 今季は「初めて力を抜けるんじゃないか。やっていれば結果がついてくる心境」と語り、記録への重圧とは無縁の状態にいると感じていた。だが、フタを開ければ周囲の期待度が違った。自身も7月に月間打率は・246と低迷し、200安打到達は152試合目までかかった。「結果は後からついてくる」というアプローチではなく、あくまで挑戦者として狙う。通算11度目の200安打となれば、ピート・ローズを抜く大リーグ新記録となる。「来年以降、どんな成績を残せるか分からないですけれども、野球の楽しさ、難しさ、奥深さを、みんなにまたちょっとだけ伝えられるように頑張りたい」。再び頂に挑む覚悟がにじんでいた。

 さらにイチローからのお願いも飛び出した。子供の運動能力低下についてだった。少年たちへ「家の中では得られないもの、素晴らしいものを野球を通じて感じていると思います。そのことを友達にぜひ伝えていってほしい」と要望。さらに父母へ向けても「運動できる環境、機会を与えてあげてほしいとお願いしたい」と訴えた。

 15回目を迎えた同大会。285チームから最後まで残った少年たちを前に言葉に力を込めた。「みんなも最後に残るのは難しいと思っていたかもしれない。でもみんなは今ここにいる。難しいけど、頑張ればできることを自分たちで証明した。この先も、そのことを胸に頑張ってほしい」。来季も大リーグの歴史を塗り替える偉業達成へ立ち向かう。だが、イチローの原点は「頑張り続ける」ことにある。挑戦することの大切さ。苦しみ抜いたシーズンを経て、イチローもまた、原点に戻ったようだった。

 ≪来季目指す記録目白押し≫イチローが来季目指す記録のうち、11度目の200安打とともに、両リーグ最多安打8度目という大リーグ新記録にも注目が集まる。さらに日米通算安打も、現在3522安打。まず来季108安打で大リーグ歴代4位のスタン・ミュージアルに並び、249安打すれば、同3位のハンク・アーロンに並ぶ。どこまで記録を積み上げるか来季も目が離せない。

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2010年12月24日のニュース