ロッテ 新しい球団経営模索…最少の投資で優勝を

[ 2010年12月24日 19:30 ]

 ロッテ球団の売り上げは約80億円。200億円ともいわれる巨人や阪神の半分以下だ。瀬戸山球団社長は「経費削減の方法は限られている」と年俸原資にも限りがあると明かす。5年ぶりに日本一となった今オフの契約更改でも、今江の4500万円増が最大の上げ幅だ。

 その代わり、球団は選手に限度額を伝え、選手が納得できなければ他球団へ移る選択肢を与える。生え抜きであろうと例外はない。昨年は複数年契約中の清水を横浜にトレードで出している。

 編成部門トップの石川球団運営本部長は「昨年ぐらいから育てる方針に切り替えた」と説明する。若手を育てることで、総年俸の抑制と継続したチームづくりを両立させようとしている。

 「健全経営」を掲げる日本ハムも方針は似ている。島田球団代表は「2004年の札幌移転が幸運だった。移転を機に方針転換できた」と明かす。コーチ人事や選手補強などで、しがらみに縛られがちな日本人監督ではなく、米国人のヒルマン監督を招聘。日本の球団では根強い現場主導の編成をフロント主導に変えた。札幌移転以降の7年間で3度、リーグ優勝するなど継続性のあるチームづくりを行っている。

 西武の小林球団社長は「人件費を適正に管理することが大事。選手との交渉でも駆け引きはしない」と言う。その上で「課題は今の金額を出せる体制を維持していくこと」と、安定した球団経営への責任を口にする。

 瀬戸山社長は「一番安い年俸で、優勝できるチームをつくる。それが理想」と語る。生え抜きを過度に保護せず、新陳代謝を図る。大きな収入増が期待できない経済状況の中、新しい球団像が浮かび上がる。(金額は推定)

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2010年12月24日のニュース