五十嵐が電話会見!来季目標は70試合登板!

[ 2009年12月23日 06:00 ]

 ヤクルトからFA(フリーエージェント)宣言してメッツ入りした五十嵐亮太投手(30)が21日(日本時間22日)、トレーニング中の米アリゾナ州で日米記者合同の電話による入団会見を行った。セットアッパーの役割が期待される日本人最速の158キロ右腕は、来季のノルマを70試合登板に設定。04年パドレスの大塚が記録した日本人投手のシーズン最多登板73試合の更新を目指す。ヤンキースと決別した松井に代わり、今度は五十嵐が“ニューヨークの顔”となる。

 2年総額300万ドル(約2億7300万円)で契約し、セットアッパーの役割を期待される五十嵐は謙虚な口ぶりの中にも、自らに高いハードルを課した。
 「60試合、70試合を目標に置く。1日1日、勉強していかないといけない立場。全力でいきたい」。過去に日本人では04年パドレスの大塚(73試合)と06年ドジャースの斎藤(72試合)の2人しか超えたことがない“大台”をノルマに設定。ヤクルト時代も02~04年にかけて3年連続で60試合以上に登板したタフマンだけに、1年目で日本人シーズン最多試合登板の更新を視野に入れた。
 それだけの覚悟がある。現在はアリゾナ州フェニックスでトレーニング中。コンスタントに150キロ台の速球を投げるために体力強化を図る一方で、球速に固執するつもりはない。「160キロを投げられるわけではない。フォークが低めに決まるところをアピールしたい」。さらに「今の投球スタイルを変えるつもりはないけど、プレーしているうちにその必要が出てくる」と柔軟な姿勢も示した。
 そして、会見で五十嵐が強調したのはあふれる“メッツ愛”だ。「Kロッド」こと守護神ロドリゲスについては「日本にいるときから投球をお手本にしていた」と共闘の機会を得て感激。チームの印象についても「ヤクルト時代のチームメートであった高津さんや石井一さんが所属したことがあり、とてもいいチームだと聞いていた。なじみやすいですね」と話し「ワールドシリーズを勝てる可能性のあるチーム」と声を弾ませた。
 もっとも辛口で知られるニューヨークのメディアだけに、ニューヨーク・タイムズ電子版は「メッツはこれまで日本人選手をたくさん獲得しているが成功していない」と厳しい論調。しかし五十嵐がフル回転して結果を出すことで、“雑音”は消える。松井が去ったニューヨークに、その右腕で新たな風を吹き込む。(奥田秀樹通信員)

 <“電話会見”は米国では常識>日本ではほとんど例のない電話会見だが、都市間の移動が日本よりはるかに困難な米国では日常的に行われている。球団から指定された電話番号に掛け、オペレーターに会社名や記者名を告げ、パスワードを入力することで会見に参加。城島のマリナーズ退団時や、岩村のパイレーツ移籍時も電話会見だった。また、今年のポストシーズン中の移動日も、チームが練習を行わない場合は監督や翌日の先発投手が電話で対応。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)でも北米部門社長に就任したマークルース氏が今月8日に電話会見した。

 <日本人対決は「意識すると思う」>五十嵐は対戦したい打者については具体名を挙げなかったが「日本人選手については意識すると思う」と闘志満々。来季は福留が所属するカブスとの4月19日からの4連戦を皮切りに、岩村のいるパイレーツや松井稼のいるアストロズとも2カードずつ対戦予定。中でもヤクルト時代の同僚だった岩村との対決を心待ちにしており「まだ1度も対戦したことがないので楽しみは楽しみ」と話していた。

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2009年12月23日のニュース