エンゼルス移籍の“真実”松井秀こだわりの「単年」

[ 2009年12月23日 06:00 ]

 エンゼルス入団が決まった松井秀喜外野手(35)が、ヤンキースからFAとなった後に獲得に興味を示した全球団に「単年契約」の希望を伝えていたことが分かった。大リーグではFA選手は長めの複数年契約を要求し、交渉の中で球団側と徐々に折り合いをつけるのが通例。しかし、松井は「野球選手は1年1年が勝負」と巨人時代にもこだわっていた単年契約に戻すことで、移籍1年目を“勝負の年”とする。

 一部報道では3年契約を要求したが、ひざの状態を憂慮したエ軍に1年契約に抑えられたとも伝えられたが、真相は全く違った。松井サイドの意思は単年契約で統一されていた。「1年契約の不安?それは全くない。自分の一番いいプレーを出すだけです」。来季にこれまでと変わらぬ打棒に加え、外野守備もこなせることを証明すれば、来オフには大型契約を結ぶチャンスが訪れる。逆に現状で複数年契約を結べば、その選択肢を失うとの考えだ。
 実際に代理人のテレム氏は06年に全盛期を過ぎたと言われた37歳のトーマスをアスレチックスと年俸50万ドル(約4600万円)で単年契約させた。見事復活を遂げたトーマスはオフにFAとなり、翌年ブルージェイズと2年総額1812万ドル(約16億4900万円)の契約を結んだ事例がある。さらに同氏は「優勝を争えるチームで、監督も優秀なこと。そして、少しでも多く出場できること。彼の希望はそれだけだった」と交渉の裏側を付け加えた。
 05年オフのヤンキースとの残留交渉では、3年契約の提示に期限ぎりぎりまで粘って4年契約を勝ち取ったが、今回は自ら1年契約を申し出た。21日(日本時間22日)にミニキャンプを行っていたカリフォルニア州からニューヨークへ戻った松井は「先のことは何も考えてない。まず来年プレーをきちんとして、シーズンが終わってから考えることです」。移籍初年度に結果を残せば、さらなる未来が待ち受ける。

続きを表示

2009年12月23日のニュース