ブランコ特大5号!ナゴヤドーム初天井弾

[ 2009年5月8日 06:00 ]

<中・広>天井弾を放ち、打球の行方を見送るブランコ

 【中日4―3広島】ドーム内が騒然とした雰囲気に包まれた。ロケットのように打ち上げられた中日・ブランコの打球が一瞬視界から消える。少しの間を置いて左翼定位置付近に落ちてきた“驚がくの一打”に山本貴・三塁塁審は頭上で手を回して本塁打と認定した。

 「芯に当たったのでホームランにはなると思った。それにしても高く上がったね。ルールを知らなかったし、二塁まで猛スピードで走ったよ」
 自身も驚きの一撃は1点を追う4回無死一塁だ。前田健の初球、内角低めを“ゴルフスイング”のように打ち砕いた。打球は高さ50メートルの位置につるされているサテライトスピーカーを直撃。グラウンドルールが適用されて5号2ランと認定された。ナゴヤドームで天井直撃打は99年と06年の2度記録されているが、本塁打と認定される懸垂物に当たったのは97年の開場以来初の快挙。ドーム側は「計測不能」と発表したが、推定飛距離160メートルは下らない。
 ドミニカ共和国出身の28歳。年俸2760万円の“格安助っ人”だ。昨年まで在籍したウッズの年俸(6億円)の20分の1以下だが、規格外パワーは負けていない。今春キャンプのシート打撃では、通常150キロ前後と言われる打球速度が170キロを計測して周囲を驚かせた。昨季も在籍した2Aで165メートル弾を放っている。開幕から打撃不振に苦しんだが、落合監督の指導で復調気配。6日の試合で来日初の猛打賞。これで連続試合安打記録を7に伸ばした。
 「初めて見させていただきました」と落合監督をも驚かせた一発。決勝弾にこそならなかったが、最後は立浪の中越え打でサヨナラ勝ち。4位に浮上したチームでブランコの存在感も大きなものになってきた。

 ◆ナゴヤドームのグラウンドルール セ・リーグのアグリーメント(申し合わせ事項)によれば打球が天井の懸垂物(スピーカーなど)に触れた場合、その懸垂物の場所によって扱いが変わる。(1)外野フェア地域の9カ所=本塁打(2)ファウル地域=ファウル(3)内野中央=ボールインプレー(4)内野中央(挟まった場合)=二塁打。ブランコの打球は(1)に該当する。

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2009年5月8日のニュース