岩村 下位の仕事“早撃ちGUNちゃん”

[ 2009年5月8日 06:00 ]

<ヤンキース・レイズ>4回2死一塁、左へ二塁打を放った松井秀喜と塁上で言葉を交わす岩村明憲(左)

 レイズの岩村明憲内野手(30)が6日(日本時間7日)、ヤンキース戦で“下位の仕事”に徹して勝利に貢献。チームのヤ軍戦連敗を止めた。2回にチーム初安打となる二塁打を放つと、6回はリードを広げる中犠飛で6試合ぶりの打点もマークした。主に1番を務めた昨季から、今季は下位打線を任されているが打撃は好調を維持。持ち味の積極性も戻って、今季もチームをけん引する。

【岩村 何苦楚魂グッズ


 異変に気づいたのは2回、ベンチから出た岩村が次打者席に向かう時だった。
 「選球眼のいいグロスが、ブツブツ言いながら戻ってきた」。前を打つ6番グロス、7番バートレットが連続で見逃し三振。この日のホイ球審のストライクゾーンが“広い”ことを察知した。終わってみれば両軍で見逃し三振が10個を数えた。文句をつけたヤ軍スウィシャーが退場になったほど。傾向を見抜けば、対策は立てやすい。昨季1番打者で培ったじっくり見るスタイルを封印。元来の積極打法に戻った。カウント1―1から外角直球を左越え二塁打。打線を目覚めさせるチーム初安打を放った。
 1―0の6回1死二、三塁では1ボールから中堅後方に大きな犠飛。「久々にああいう打球が打てた。投手は下位打線に打たれると疲れてきたかな、となる。7、8番はそういう打順」。前回対戦で白星を献上したヤ軍先発バーネットをこの回限りで降板させた。試合は延長の末、競り勝って新ヤンキースタジアムでの初戦勝利に貢献した。
 岩村は今季、マドン監督の方針で下位打順で起用されている。当初は1番との違いに「試合への入っていき方が難しい」と苦心したが、前打者の打席を観察してアプローチを考えるなど、ここにきて下位のメリットを十分に生かせるようになった。昨年5月上旬は打率・220前後と低迷していたが、今季は3割に近い数字を維持。下位からチームを支えている。
 開幕当初もたついたチームも借金3まで戻して、3位ヤ軍と1ゲーム差に迫った。積極さが戻った岩村の数字とともに、チームも上昇する。

続きを表示

2009年5月8日のニュース