大田、紳士たれ!そのモヒカン似合わんぞ

[ 2009年2月1日 06:00 ]

ホテルの一室で素振りに励む巨人・大田泰示

 球春到来を告げるプロ野球の春季キャンプは2月1日にスタートする。巨人のドラフト1位ルーキー・大田泰示内野手(18=東海大相模)は31日、原辰徳監督(50)ら首脳陣とともに宮崎入りした。伊原春樹ヘッドコーチ(60)からソフトモヒカン風の髪形についてカツを入れられる一幕もあったが、それも期待の裏返し。目標の開幕1軍へ向け、背番号55はプロの厳しい戦いに臨む。

 出発前の羽田空港。卒業試験のため遅れてチームに合流した大田は首脳陣一人一人にあいさつをして回った。しかし、次の瞬間、背筋はピンと伸びた。伊原ヘッドコーチの前に立った時だ。

 大田 大田です。よろしくお願いします。
 伊原ヘッドコーチ よろしく。お前、髪が立ちすぎているな。今の若いヤツはそれがはやっているのか?

 厳しい一言に18歳の若者は直立不動となった。
 大田は先月24日、川崎市のジャイアンツ寮近くにある美容院へ。頭頂部は長く残したまま、両サイドを短く刈り込みラインを2本入れたソフトモヒカンに変身した。故正力松太郎初代オーナーの遺訓「巨人軍は紳士たれ」の通り、巨人は身だしなみに厳しいチームカラー。加えて伊原ヘッドは大田と同じ広島出身とあって「広島県人にあの頭は似合わない」と苦言を呈した。それも高校通算65本塁打のスター候補生への期待の裏返し。大田も「身だしなみはしっかりしなきゃいけないですね。髪形も試行錯誤です」と神妙に振り返った。
 高校の先輩にもあたる原監督とも昨年11月23日の入団会見以来の再会を果たし、宮崎空港でガッチリと握手を交わした。「“ケガをしないようにやるだけだ”と言われました。直接言葉を掛けられて、力になります」。大田は若手主体のB班スタートで、初日はフリー打撃なども予定されている。また、B班を中心に回ることを明言している指揮官は「準備はあります。環境が整えばやります」とノックの雨を降らせることも予告した。
 「今は期待しかありません。自分がどれだけできるか、どれだけ伸びるか楽しみです」と胸を躍らせた大田。1日、誰より自分自身が待ちわびたキャンプインを迎える。

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2009年2月1日のニュース