ダルいきなり125球 熱い思いでWBCへ

[ 2009年2月1日 17:39 ]

WBCの公式球を使い、投球練習する日本ハム・ダルビッシュ

 クールな表情とは裏腹に、熱い思いを抱いている。日本ハムのエース、ダルビッシュは、周囲を圧倒する気迫をまといキャンプインした。初日の1日から捕手を座らせて、125球を投げ込む順調さを見せた。

 すでに体の仕上がり具合は「キャンプ中盤から終盤ぐらいという感じ」という。疲れがピークに達している中、バランスを気にしながらの投球となったが、それも計算済み。ダルビッシュは「球数が投げられて良かった」と不安なそぶりは全くなかった。
 3月5日に始まるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を見越して、例年より早めにスタートを切った。チームに先立ち1月28日に名護入りすると、その日のうちに本格的な投球練習を開始した。投げ込むほどに威力を増す直球に加え、決め球となる変化球も多投。他の投手とは明らかに違う調整に、女房役の鶴岡は「こんな時期に、あんな球は見たことがない。シーズン中みたい」と舌を巻いた。
 「シーズンのことは、WBCが終わってから考える」。日本代表の先発として期待を集める今のダルビッシュには、WBCのことしか頭にない。練習でもWBCの公式球しか握らない、という徹底ぶりで、指先の感覚を慣らす。
 苦い思い出が、22歳の若き右腕を突き動かしている。プロ入り後、初の国際舞台となった昨年の北京五輪。大黒柱と見込まれたが思うような結果を残せず、メダルにも手が届かなかった。「日本代表としての責任を果たしたい」。日本にダルビッシュあり―。まずは、世界の舞台で本来の投球を見せつける。

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2009年2月1日のニュース